07



*  *  *




夕日が沈みかけた頃、龍作と青風は舞姫のいる桜木邸へ来ていた。


日中いろいろ話していた疑問点を舞姫にぶつけてみた所、自分達と同じように頭をひねっては唸っての連続だ。


「難しいわね・・・。そもそもその茨草って何者?」


「俺は昨日一手交えましたけど・・・かなりの腕前だと思われます」


「それだけじゃね・・・。何とも言えないわ」


「だよなぁー・・・。なんかこう・・・もっとさぁ・・・」


「情報が少なすぎるんだよ、君達は」


「「「ん?」」」


「桜木のひーめっ!!久しぶりーっ!!」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!ちょっと、どっから入って来たのよ!!」


「門からだけど?」


そう言って門の方を指差しながら舞姫の背後から抱きついてきた人物は言うまでも無く龍作の師匠こと霜せいだ。


「いやー、いいね、この反応。乙女とは思えない叫び声だ」


「一体何しに来たんですか、師匠」


半眼で頬杖をつきながら龍作が尋ねると霜せいは扇を開いて口元と覆った。


「さて。面白そうな話をしているなと思ってね。私も混ぜてはくれないかい?」


「お断りします。ろくな事になりません」


「・・・・・・君は一体私をなんだと」


「一言で言えば鬼、ですね・・・」


去りし日の遠い記憶を思い出して龍作は遠い目をする。


「ほぅ、それは誉め言葉と受け取っておこう。―――それよりも」


霜惺は目を細める。


そしてそのまま一同をぐるりと見回した。


「―――君達は、何か重要な事を見逃してないかね?または、重要となる鍵に繋がるものを・・・」


龍作はハッと目を見開いた。


「師匠・・・まさか・・・」


「おーっと!!私はそろそろ帰ることにするよ」


「え!?もう?」


「おや?もしかしてまだ帰ってほしくないとか?」


「そんな訳ないでしょ!?早く帰りなさいよ!!雪音さんが待ってるわよ!!」


雪音という名を聞いて霜惺はニヤリと笑った。


「そうだな。急いで帰らないと・・・あれはまた泣いているかもしれないしね」


そう言った霜惺の目は、いつもの不適なものとは違い、温かいものだった。


ほんの一瞬ではあったが。


「では、失礼するよ」


ひらっと手を振ってあっという間に帰ってしまった。


「・・・一体何だったんだ?」


「さあ?」


三人は同時に笑った。







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