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「茨草・・・と言ったな?何者だ」


「さぁ?少なくとも、味方ではないわね」


「くっ・・・!!何が目的だっ!!」


「私は巫女の命でここにいるだけよ。・・・遅いわね。ほらほら、避けてるだけじゃらちがあかないわよ!?」


人とは思えないほどの速さで首・心臓と一撃で仕留められる場所を的確に狙ってくる。


ここまで強い女に会ったのは青風とて初めてだ。


舞姫とてこんな芸当はできないだろう。


少なくとも、この女は余裕の笑みをうかべたまま戦いを楽しむような仕草をみせる。


こちらから攻撃しようにもこう・・・ちょこまかと動き回られては狙いが定まらない。


ところどころ裂けた皮膚から血がにじみ出て、衣を朱色に染める。


しかし、その傷も直ぐに癒える。


後に残るのは白い衣に朱色の染みだけ。


それを見ても相手は全く動じない。


「妖怪であって妖怪じゃない。人であって人じゃない。妖とはそういうもの?」


歌う様な口調で彼女は言葉を紡いでいく。


それでも、攻撃の手は止まない。


しかし、青風とてまだ本気ではない。


この邸の近くで騒ぎを起こすのはごめんだ。


「貴方はは一体何者なのかしらね?」


茨草は薄く微笑する。


「―――お前、俺を知っているのか?」


青風の目が鋭く光り。


長い漆黒の髪が妖気でうねる。


「さぁ?あら、やっと本気を出そうっていうの?でも、遊びはもうおしまい」


「何だと・・・?」


「―――ごきげんよう。青風サマ」


「待て――――――っ!!」


しかし、伸ばした手が掴んだのは一枚の木の葉だけ。


なんだか狸に化かされた気分だった。


「・・・・・・あいつ、一体何者だ」









*  *  *











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