09


「・・・・・・っ!?」


何の前触れも無く目の前から飛んできた刃物を衣を翻し弾き飛ばす。


「何処だ・・・っ!?」


全く持ってきりが無い。


次々と飛んでくる小型の刃物。


その一つを手で掴んで見てみると、それは忍と呼ばれる者たちが扱う武器に似ていた。


「忍の者か・・・!?」


忍とは、今から昔、なんとかかんとかという人が初めて使ったとか使ってないとか。


「・・・・・・そこか」


目標目掛けて跳躍すると、青風は木々の間に刀を突き刺した。


・・・・・・だが、刺した衝撃は無い。


鬱陶しそうに相手が枝を払った。


「なかなかの腕前のようね・・・でも・・・隙だらけよっ!!」


青風の刀を受け止めていた右手の太刀を軽く翻すと、彼女は空を舞った。


身を翻すと同時に腰にさしてあるもう一振りの太刀を抜き放つ。


青風が持っている太刀よりは小柄だが、短刀よりは長いようだ。


「二刀流か・・・。それに、小回りが利かない分こっちが不利だな」


キインッ・・・―――。


刃と刃が交わる。


「貴様、何者だ」


「ふふ・・・。短気なのね。いいわ、教えてあげる。私の名は―――茨草」


彼女の背が、月明かりに照らされる。


仄かに吹き始めた風に髪が揺れる。


そこでようやく青風は気が付いた。


彼女の髪の長さだ。


都の女性ならだれしも髪は腰よりも長い。


それなのに、今目の前にいる彼女の髪は、肩につくかつかないかくらいの長さだ。


自分が最初に抱いた違和感はこれか。














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