04






夕日が室内を照らしている。


舞姫の自室で、何を話すでもなく、舞姫、龍作、青風と輪になって不機嫌そうな顔で向かい合っていた。


「―――で。何でよねは居ないんだ?」


ついに沈黙に耐えかねた龍作が口を開いた。


「それが・・・。しばらく長の休暇をいただきたいですって。父様からはそう聞いてるわ。何も黙っていかなくてもいいのに・・・」


父、直忠の言葉では、舞姫達が先日市へ出かけた日によねは実家に帰ったとのことだった。


何でも急な呼び出しがあり、至急帰って来てほしいとのことだったそうだ。


「まさか・・・縁談・・・とかいうんじゃないだろうな?」


「やめてよ。私に今、その単語は禁句なの」


舞姫は両耳を押さえて龍作を軽く睨みつける。


対する龍作は腕を組んで渋い顔をする。


「じゃあ何だ?」


「単純に里帰りではなさそうですけどね・・・」


青風が相槌を打つ。


「そうなんだよなー・・・。なーんか、こう・・・胡散臭いっていうか・・・こうさ・・・裏がありそうなんだよなー・・・」


「・・・・・・そもそも何でそこまでややこしい話になったの?」


「・・・・・・え?」


「よねは里帰りしたんでしょ?実家にいるんならなんら問題ないじゃない」


「・・・・・・お前、よねの実家の事知ってるか?」


「いいえ。全く知らないわ」


龍作はわざとらしく溜息を吐く。


「何よ」


「・・・・・・何で舞姫御付の女房の事情をお前は全く知らないんだ?」


「だって興味なかったんですもの。仕方ないじゃない」


「薄情な奴」


「なんですって?」


「―――やめましょうよ。話が進みませんよ、二人とも」


青風が少し呆れまじりにそう呟く。


最もだと思い二人とも黙り込む。


「それよりも―――」


不意に、青風が視線を背後へ滑らせた。


ただならぬ緊張感に舞姫と龍作も自然と気を引き締め、辺りを警戒する。


「・・・・・・どうした、青風」


「―――今」


「―――失礼します」


青風が何か言いかける前に部屋の外から女性の声が聴こえた。


「どうぞ」


舞姫が凛とした声でそう告げると一人の女房が室内に入ってきた。


年は二十歳を少し過ぎたくらいだろうか。









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