01
―――大内裏。
朝から人が忙しなく動いている。
その内裏で、龍作は今、帝と面会をしていた。
「―――お久しぶりでございます。御上」
「―――顔を上げよ」
「―――は」
龍作が顔を上げると、御上は何やら楽しそうな笑みを浮かべていた。
「あの・・・何か?」
「いや、少しね。あ、そうそう桜木の姫が元に戻ったって?」
「はい。おかげさまで」
「いやいや、私は何もしてないよ?あー・・・それも妖の仕業か何か?」
「はい。少し前に追い払いました・・・」
「ふーん。まあ、都にこれといった害がなくて良かったね」
ピキ。
龍作の額に青筋がたった。
そろそろ我慢の限界だ。
「―――御上っ!!」
「ん?なんだい?」
「なんだい?ではありません!!人払いしているのをいいことにーっ!!」
「だって、こうでもしないと楽しくないじゃないか。私は君に会うのを楽しみにしていたのだよ?君と君の師匠はすっごく面白くていじりがいがあるからね。あ、・・・これは言わなくていいことだったね」
「―――御上」
先ほどよりも低い声で睨みつけるとようやく御上は黙った。
「いいじゃないか、少しくらい・・・。側近は側近でかたっくるしいし・・・。まあ、いい。さて、本題に入ろう」
御上がパチンと扇を閉じた。
自然と龍作の背筋が伸びる。
「―――帰ってきたみたいだね」
御上はそう言って龍作の左背後を見る。
常人には見えないだろうが自分には見えたし、この強すぎる妖気が何よりの証拠となる。
「5年ぶりか。この先・・・何も起こらなければいいけどね・・・」
そう言うとお上はバッと扇を開いた。
「綺麗な笛の音だ。ぜひとも今度またお聞かせ願いたいものだ」
「―――こちらから願い下げだ」
睨みつけるような目をして言われたにも係わらず帝は薄く笑みを浮かべる。
「そうか、それは残念」
御上を自然と口元に意地の悪い笑みを浮かべる。
挑戦的な笑みだと龍作は思った。
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