06



品物に気を取られて歩いているうちにどうやらはぐれてしまったらしい。


いや、あちらがはぐれたのか。


まあ、どうでもいいか。と結論付けて舞姫は辺りを見回す。


「うーん・・・だいぶ遠くへ来ちゃったかな?」


いくら周りを見渡せど、それらしき人物は見当たらない。


それでもとりあえずそれらしき人物はいないかと首を廻らせていると、とある物が目に入った。


「あ・・・。わぁ、可愛い」


試しに手に取って日にかざしてみると余計に綺麗に見えた。


それは赤い紐に刺繍の施された飾紐だった。


「―――龍作様にねだってみたらどうですか?」


不意に背後から声がして舞姫は肩をビクッと跳ねさせた。


恐る恐る背後を振り返れば、さほど興味のなさそうな顔をした青風がいた。


「青風・・・。もー、びっくりさせないでよね」


「そんなに驚いたんですか?」


「うーん、今もそうだけど・・・何か前より気配消すの上手くなった?」


舞姫の問いに青風は薄く微笑する。


「そうだといいんですけどね・・・」


笑っているのにどこか寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。


何も言えずに舞姫は黙ったまま青風をみつめた。


「―――・・・で、結局どうするんですか?買ってもらってはいかがです?」


「えっ!?いいよ!!じゃない・・・無理無理無理っ!!」


「何が無理なんだ?」


不意に後ろから肩を掴まれた。


「―――げっ!?龍作・・・!?」


「ようやく追いついたと思ったら''げっ''て何だよ」


「あー・・・ごめん」


「全然反省してないし・・・」


軽く嘆息すると龍作は舞姫の手から飾紐を奪い取る。


「ちょっ・・・」


「すみません、これください」


「へい、まいど」


「ちょーっと!!何やってるのよ!!・・・って、くれないの!?」


抗議する舞姫をよそに青風と何やら言葉を交わすと龍作は買ったばかりの飾紐を懐にしまってしまった。


「―――欲しいのか?」


龍作がニヤリと笑うと舞姫は頬を膨らました。


「いりません。どうぞ素敵な姫君にでも贈ってあげたらいいわ」


軽く苦笑すると、龍作は舞姫を手招いた。




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