第三話 四

それを見て、龍作も軽く微笑む。

「それと、これ」

「これは・・・」

龍作は懐から薄紅色の勾玉を取り出す。

「お守り。きっと役にたつ」

受け取った勾玉と龍作とを交互に見て舞姫は薄く笑う。

「ありがとう」

舞姫には笑っていてほしい。

早くまたみんなで騒げればいいのにと龍作は思うのだった。


―――全ては奴のせい。





* * *


闇の中で何かが嘲笑う。

「―――準備は整った」

そろそろこの人皮も使い物にならんか。

忌々し気に己の手を見つめる。

そしてフッと口端を吊り上げる。

「―――宴を始めようか」

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