なると | ナノ
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朝起きると、頭痛と胃のムカつきでとてもじゃないけど朝ごはんは喉を通らなかった。
これが飲酒のせいだと途切れとぎれの記憶で理解したが
どうやって自分の部屋に戻ってきたのかは覚えていなかった。
痛む頭を和らげるため米神を揉みながらお母さんに聞くと
「あんたって子は!」と朝からゲンコツを喰らうハメに。
怒り心頭のお母さんを見上げながら正座で昨日の経緯を聞くと
どうやら私はシカマルに背負られ無事帰還したらしい。
しかも私を寝床まで運んでくれたとの事。いやはや申し訳ないことをした。
シカマルに渡せと無理やり渡された菓子折りを手に支度をする為部屋へ戻る。


「気持ち悪い…」


飲み口のいい酒は作るべきではない。
私がジュースと間違えるから。

しかしどれだけ私が二日酔いで苦しもうが今日は出勤だ。
それなりに働かなくてはいけない。
確か今日はデスクワークだったはずだと着替えを始めると、
昨日片付けるのを忘れていた将棋盤の上に紙が数枚置かれていることに気がついた。

「なんだっけ、これ」

置いた覚えのない紙を手に取り確認すると、先日やり直しをくらったはずの報告書だった。
なのに、その報告書に書かれているはずの綱手様からの怒りのメッセージはなく
代わりに私の字とは違う少し角張った字で書類は書き直されていた。
私が提出したものより少し丁寧に報告されたその書類に違和感を感じていると
手元から小さな紙がひらりと落ちた。


”将棋楽しかったっす。またいつかやりましょう。追伸、酒は飲まない方がいいっすよ、先輩”


手にとったメモは明らかに昨日迷惑をかけっぱなしだった後輩からのもので
なんとも言えない胃の痛みが私をさらに追い詰めるのであった。




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