短編(ハンター) | ナノ
whiteday2013/学パラ?(SS) [ 2/4 ]

「寒い…!」

寒い寒すぎる。季節はもう3月なのに!春はいつ来るんだ。
しかも私なんでこんな薄着できちゃったの…
ほとんど部屋着でコンビニまで来てしまう10代女子。
当たり前のようにすっぴんだ。
マフラーくらいしてくればよかった!


「…もう冬いや」

寒い、寒いのに。私ってばこたつにアイスはてっぱんだよね!とかいって
なにコンビニまできてんの、馬鹿なんじゃないの。なにテンション上がってんの。
しかも軽く雪降ってない!?え、まじかよ…3月だってのに…


「ねぇ、なにしてんの?」

「…」


突然の雪というアクシデントに呆然としていた私だったが、声がしてそれに反応するようにキョロキョロと辺りを見渡す。
何だか顔が派手な男性に話しかけられた気がしたがまさか私が話しかけられる筈がない。いや、だってそれはまるで…


「ナンパ。してるんだけど、君を」
「…は?」
「俺と遊ぼうよ」


嘘だ、自慢じゃないけど私もてないし。丸い生き物だし…まさか、これは…


「…罰ゲーム、ですか?」
「…は?」
「いや、あの、」
「違うよ、罰ゲームじゃない」
「そう、ですか……あの、」
「ん?」
「…日を改めませんか?」
「え」


彼はポカンとして私を見る。マヌケな顔だなぁ、綺麗な顔が台無しだけど面白いからよしとしよう。


「今日はもう遅いし…っていうか雪降ってますし。学校で…あ、でも春休みだから…うーん、あ、明日またここで待ち合わせしませんか?」

昼間のが温かいですし、と私が袋の中からホカホカの肉まんを一つ取り出し、
彼に手渡すと彼はまた先ほどより間抜けな顔で私を見るから、思わず笑ってしまったけど私は悪くないと思う。


「ぶははっくっ…ごめ、ごめんなさい。あんまりにもマヌケな顔だったから、…っ、あの、寒そうだったから一つあげます。肉まん」
「…俺のこと知ってたんだ」
「ん、知ってますよ。クラスメイトの名前くらい。しかもクロロくん美人だから、」


言った後にしまった、と思った。
私が好意的にいった言葉であっても男性にとって嬉しい言葉じゃないかも知れない。
調子に乗ってしまったと後悔してクロロくんをみると、今度はクロロくんが笑っていた。


「そっか。肉まんありがと。」

気にしてないみたいでよかったと私が一安心してふう、とひと呼吸するとクロロくんはすぐ目の前にいて


「明日一緒にランチしよう。コレのお礼におごるから。じゃあまたね、おやすみ」
「うん、え、…ぶ。くるし」
「これ、あげるよ。すごく寒そうだから。鼻が真っ赤だよ。ハナコちゃん」



そういって彼は自分がつけていたマフラーで私をグルグル巻にして去っていった。


「男子高校生って不思議…だな」

すこし体温が上がったような気がしたけど、
それはきっとこのマフラーがあったかいからだよね。多分。




happy white day!


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