ハンター | ナノ
26 [ 30/60 ]



――――コン


「―お、キルアくん」
「よぉ」



引越しの準備をしていたら、子猫が不機嫌そうに訪ねてきたので
一旦手を休めてお茶にすることにした。


「なんだかご機嫌斜めだね?」
「…そうか?そうでもねーけど」


私の目を見ず言うあたり隠しきれてなくて可愛い。
私が出ていくことに不機嫌になってくれてるんだろう。
でも年齢より大人な彼は文句は言わない、泣いて止めたりもしない。
それがさみしいと少しだけ思う。我慢が上手な子供って何か物足りない。


「そ。もうあんまりお菓子ないんだけど…あ、チョコロボ君あった。」
「なぁ、」
「んー?」
「ここ出てって、何するの?」
「仕事。実はここでの仕事は結構前に終わってるんだよ」
「ふーん…じゃ、なんで終わってすぐに出てかなかったんだよ」
「え、なんか傷つくなあ、それ。…ま、楽しかったからかな。
ここの人は私にとても良くしてくれて、ご飯は美味しいし、イルミさんも実はいい人だし」
「兄貴が?うげー」
「ほんとだよ?あ、”実は”ってところがミソだよ。あとは、」
「あとは?」
「…ふ、ふふ」
「おい、なんだよ。笑ってんじゃねーよ」
「あはは!ごめんごめん。…あとはね、キルアくんが一緒に遊んでくれたからかな」
「…」
「照れるなよー、少年。ういうい」
「てれ、てねーし。やめろよ肘でつつくな!」
「はいはい」
「……また、会えるか?」
「うん、勿論!君が望むならいつでもいいよ。君と私は友達ではないけど、前にも言ったけど私はキルア君が好きだからね。」
「…ハナコってやっぱ変だよな」
「そう?普通だと思うけど。それでもいいよ。気軽に話せるお姉さんぐらいに思ってて頂戴」
「…ふは、お姉さんじゃなくておば…いってええ!」
「女性の扱いを覚えるべきだわ、あなた達兄弟は!」


また直ぐに会うことは今は内緒だ。
そして、会ったらまた頭にげんこつをくれてやると決めた。愛情たっぷりに。


(悩め少年、君は君が思ってるより強くないし、弱くない。)
(意味不明、ってやめろよ!頭ぐちゃぐちゃだろ!)
(わしゃわしゃわしゃあああ!)
(ぎゃあああ)



―――――

私は弟ってものがいないので弟に対してとてもあこがれがあります。
小憎たらしいツンデレ(デレ多め)な弟が欲しい。


[*prev] [next#]

top
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -