ハンター | ナノ
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「冗談、ではないですよね」
「うん」
「ですよねー」


え?契約書にも書いてあった?
ハハ!じゃあアレ見間違えじゃなかったんですねー。



ゴクリ…


「でけぇ…」


出ました”試しの門”
デカすぎる…。そして何か禍々しいオーラがある気がするこの門。
ゾルディック家のATフィールド激しすぎる。


…正直、開けられる気が全くしない。
1とか2とか5とかそういう数字的な問題ではない。
だって1の扉だけで何トンあるんだっけ?
いやー、たかが5年ぽっちでこの扉を開けられる力がついたとは到底思えない。


「ほら、早くして。親父とか待ってるらしいから」
「…はい。が、頑張ります」


そうだ、念。自力がないのなら念使えばいいじゃん。
…これ念つかっちゃダメなのかな?
使わないほうがいいかな、どうだったかなー
念使ってはいったらミケに食われちゃうとかそういう事ない?
え、すごい不安なんだけど…


「あ、のイルミさん…」
「念?使わなくても1ぐらいは開けられそうだけど」
「え、そんなに力ついてないとおも、」
「そ。じゃあ使ってもいいから早くしてよ。」
「はい。畏まりました」


こ、怖い。さっきまでの優しいイルミ兄さん(私のが年上だけど)どこいったの。
なんかイラついて見えるけど、いつもどおり無表情で全然わからない。
なに、何があったの。さっきまでご機嫌に私の眉間に殺人デコピンかまして爆笑してたじゃない。
テンションが変わりすぎて私ついていけないです…。

怯えながらも堅(ケン)で扉を押す。


ギギギ、と重い音をたてて扉が開いていく。
人が通れるぐらいあけて扉の番号を確認する。

え、5?

なんと私は5の扉まで開けてしまったのだ。

すげー怪力じゃん、私…ていうか念ってすげぇ…
念を使ったとは言え想定外の怪力さにドン引きしていると
後ろの方でパチパチと拍手する音がして
振り返るとイルミさんを筆頭にゾルディック家執事、門番まで揃って「素晴らしい」とか言ってる。


「やっぱ使わなくても1くらい余裕だったんじゃない?」
「…はぁ。」


私はもしかしたら元の世界に”女”というものを置いてきてしまったのかもしれない。
いや、前からそんなに女らしくなかったけど。
なんとなく、この世界でも独り身でいることを覚悟した瞬間だった。





―――――

名前変換がry
ゾルディックの屋敷は石造りのイメージがあって
底冷えしそうだなって思ってる。

前サイトより転記(3/22)

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