ハンター | ナノ
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ガチャ

「入れば」
「…び、っくりした…失礼します」

シャワーを浴びて一通り身支度をしてから、新しく調味料を作り直しスープを作った。
病み上がりだから一応作ったが、イルミさんは食べるだろうか。
まぁ食べなかったら私が食べればいいし。
それぐらいの気持ちでコーンスープをもってイルミさんのいる部屋のドアをノックしようとしたらノックする前にドアを開けられた。

そんなのでびっくりするとか修行が足りないね、と小言を言われ
(そうそう、これがイルミさんだよね)と思いつつカップを持って部屋に入る。


「これ終わったら飲むからそこに置いといて。」
「え、」
「それ、自分で飲むの?」
「いや、イルミさんが飲まなかったらそうなる予定でしたけど…」
「そ、じゃあ置いといて」
「…はい」


テーブルにコト、とカップをおき、反対側のソファに座る。
イルミさんは元々していたであろう武器の手入れを再開した。


なんかやっぱり変な気がする。
もう熱はないはずなのに、刺が少ない。別に刺が欲しいわけじゃないけど!
彼が持っているのは鋲だしって鋲も刺?
というか、これがもしかしたらイルミ=ゾルディックなのかもしれない。


イルミさんは私より年下だ。(原作読み始めた頃は年上だったのに…歳は取りたくないわ。)
不自然なほど冷静沈着。そして大人だ。
イルミさんだけではない。クロロさんもシャルナークもみんなそうだけどありえないほど大人びている。
なので私が一番子供なんじゃないかと思ってしまう。
それほど彼らが生きてきた幼少期は過酷だったということだ。
私には想像も出来ない、故に共感も難しい。
だからだろうか、彼らから距離を感じてしまうのは。
しかしこの距離は私から発信された完全なる偏見で。
そんなことはわかっていて、そんな自分に幻滅してさらに彼らとの距離を感じてしまう。


ネガティブな思いにふけっていたら、眉間に激痛が走った。


「――ッ〜たっ!え…???」


え、なに、いったあああああああああ


声にならないような激痛で涙が出る。
無言の訴えに手入れが終わったのかイルミさんはスープを飲みながら
ハハハ!ひどい顔、と真顔で笑うのである。


「なん、でぇ…〜っ?」
「眉間に皺寄ってたから。」
「〜っそう、ですかぁ」


あまりの痛さで考えていたことを忘れてしまいそうになる。
いや今は正直それどころではないのが本音です。
血が出ていないのがせめてもの救いです。


そんな理不尽な暴力に怒りを覚えるのはあと30分後のこと。




―――――

ハナコさんイルミを考察してみる回。(本文で名前変換がないという事実)
しかも、答え出ず!なにこれ。
イルミはコミュニケーションが幼稚であって欲しい。

前サイトより転記(3/22)

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