ハンター | ナノ
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「や。久しぶり」
「お久しぶりです」

右手をスっとあげて挨拶する彼の髪は以前より長くなっていた。
どんどん原作に近くなっていくなぁなんて現実逃避をしながらも軽く会釈をする。

「荷物それだけ?」
「色々持っていこうかとも思ったんですけど、キリがないので最低限の物だけにしたんです。」

必要なら買い足そうかと思って、と付け加えると聞いたくせにふーんと興味なさげに呟いて後ろに控えていた黒服を着た執事達に荷物を運ぶように指示した。

「知ってるかもしれないけど、うちかなり辺鄙な場所にあるから買い物とかそんなに頻繁に行けないと思うよ?」
「あー。やっぱりそうですよね…」
「俺が暇なときは付き合ってあげてもいいけど仕事とか弟たちの面倒もあるし困るんじゃない?執事に頼んでもいいけど自分で買いに行きたいならしばらく不便になるよ」
「んー」
「そうだ。」


ポンっと右手の拳を左手にのせて彼は提案した。
「どうせだから少し買い物してから、帰ろうか」と。


「え」
「何」

なんですか、その爽やかな提案は。
間違いなく彼はゾルディック家の長男なのに、
初対面のときは容赦なく殺すとか言ってきたり私の修行を気まぐれに手伝い、
笑いながら(真顔)私に三途の川を何度も見せたりする人なのに!

私が顎が外れるんじゃないかというくらい口を開けて驚いていると
「何、なんかムカついたから殴っていい?」と言われて
平謝りをしながらもやっぱり驚きを隠せない。

「ご、ごめんなさい。いや、…本当に驚いちゃって。」
「だから何が?」
「だって、なんか優しい」
「…ハナコ、俺にどんな印象抱いてるの」
「え…?ハハ…」
「一応仕事相手だからね。そこまで粗末に扱わない」
「ああ、なるほど」

そこでやっと納得できた。
以前と違い彼と私は仕事で繋がっているのだ。
家業が全てな彼にとって契約を結んだ以上自分や家族に何か危険なことが及ばない限り
私は大事なお客様(言い過ぎでないこと願いたい)ご厚意には甘えときましょう?

「でも、何かあったら容赦なく殺すよ」
「…はい」



―――――

イルミってキキョウさん似だから
迫力ある美人だよね。
性格的にも

前サイトより転記(3/22)

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