ハンター | ナノ
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私はハンター試験を受けます。(なんでかって?死にたくないからです)
3年経っても一向に元の世界に戻れる気配がないということは
もしかしたらこの世界で一生暮らしていくのかもしれない。
ということはいつか来る女王蜂と王子。
その戦いがいつか終わることは知っているけど
戦いが終わる前に死にたくないからね!だって結構グロイ死に方するじゃんあれ…
モグモグ食べられるんでしょ…やだやだやだ怖すぎる。野性的なのマジ怖い。
だから戦いが終わるその時までひっそりと生き残りたい。
いざとなったら自分の命を守れるくらいには強くなりたい。
しかも、プロハンターになったら身分証ができるしお金稼げるしね!何の仕事にしようかなー


人目はばからず人ごみの中でガッツポーズをしていると
ポケットに入っている携帯がブルブルと震えているのに気がついた。


「…ん?シャルナーク?…もしもーし」
『…あ、ハナコ?』
「うん、どうしたの?」
『出るの遅いよー』
「え…あ、ごめん。ガッツポーズしてたから…」
『…まぁ、いっか。それでさ、ハナコ今回ハンター試験受けるんでしょ?』
「あー、うん。よく知ってるね。どうして?」
『オレもちょっと興味あってさ、取りに行こうと思ってた所だったんだよ』
「え!まじで?」
『よかったら、一緒に行こうよ。知ってる人が居たほうが暇つぶしになりそうだしさ』


え…また暇つぶし…?なんかデジャブ…ちょっとしたトラウマになってるのね、私。
それはいいとして、そういえばシャルナークもハンターライセンス持ってたよね。
まさか同じタイミングで取りに行くことになるとは思わなかったけど。


『…ハナコ?』
「あー、はいはい。で?どこにいるの」
『「ここ」』
「え?」


携帯からの音声と左耳から同時に音が聞こえて
後ろを振り向くと満面の笑みの爽やかな金髪童顔がそこには立っていた。
突然のことに呆気にとられる私を見て驚いてる驚いてると手を叩いて笑っている。


こいつ…



「いるなら声かければいいじゃん…」
「えーだってハナコの間抜けな顔面白いからさーガッツポーズもなかなか面白かったけどね」
「(み、見られてた!)ぐ…ッもういい!バーカ!バーカ!一人で行くからいいよ!」
「あ、ゴメンゴメン。そんなに怒るなよー。」
「ふん」
「ほら、オレと一緒に行くといいことあるよ?オレ結構下調べしたしさ。ね?」
「…アイス奢ってくれるなら」
「オーケイ。ハナコ変なところで子供みたいだよねっ…と!危ないなーいきなりモノ投げるなよ」



携帯(シャルナーク特製)のとんがった方を向けてシャルナークに投げつけると
軽々とキャッチし「壊れてももう作ってあげないぞ」とか言われる始末。


ぐぅ…!年下のくせに!
…うん、まぁいつもこういう扱いだよね。元の世界でも先輩にも後輩にも。
よく言えば慕われてる、悪く言えば舐められてる。



「あれ…?ハナコどこいった?さっきまで居たのにおかしいな。」
「…。」
「…いった!…ちょっと蹴りする為に一回隠れてから隠(イン)で近づくとか…!」


そこまでする!?と、騒いでいるシャルナークを横目に
少しすっきりした私はナビゲーターに教えてもらった金券ショップへ向かったのだった。




―――――

やられたらやり返す(姑息に)

前サイトより転記(3/22)

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