ハンター | ナノ
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何を食べたら、そんなに胸とお尻だけが発達するんですか。
私がどれだけ風呂あがりにゴロゴロ顔面にローラーを走らせても
そんな小顔にはなれない。

骨格が違う。
これはいいわけではない。諦めだ。


無事パクノダさんに記憶を見てもらう事に成功した。

私の記憶からわかったことは、団員の情報やゾルディック家の事、
つまり“人”の情報だけ読み取れたが、
私が知っている未来や過去に関わる情報は読み取れなかった様だ。

しかしこの世界での情報としては十分すぎる内容だった為か、
私が話すのをためらったのは”幻影旅団やゾルディックの事を知っていたからだ”と
解釈したのか(どうかは知らないが)パクノダさんの話を聞いたクロロさんはそれ以上私に何か聞いてきたりはしなかった。

言わなくていいのならといつかの未来に起こるかもしれないあの事は私の心の底にしまう事にした。


何で自分達の事を知ったのかと聞かれ、
「私の世界では貴方たちを題材にした本があるんです。」と、
うすーく説明したところ納得して頂いた様で、


「おもしろい、是非読んでみたいな」などと申しておりました。本の虫が。



それから3年間修行をさせられていた。


…地獄のようだった。
それこそ元の世界の事を思い出し涙する余裕がない程には。

そして気づいたことがある。この世界に来てからなんだか体が軽いのだ。
いや、体重が落ちたとかそういうことではなく重力が少ない?気がする。
だから思いっきりジャンプしたらすっごい飛び上がっちゃって
落下時に受身が取れずに骨折したりした。

驚くほど足が早くなっていたというのもこれが少し関係あるのかも知れない。
(恐怖が一番の理由だと思うけど。…怖かったなぁ)
とりあえずその時確認できた所謂”トリップ特典”はそれだけだった。
勿論それだけでも十分すぎる程チートなんだけど最初から念能力が使えるとかそこまでのチートだったり最強設定なんてものは用意されていなかった為、
戦うことに慣れていない私は修行中に瀕死の怪我を負うこともザラだった。


まず師匠達があまりにも凶悪すぎる。本気で殺しにくる。
特に拷問大好きなあのちっさい人とか、豪腕で声がでかいあの人とか鋲を顔に刺して顔を変えちゃうあの人まで暇つぶしで襲ってくるのだ。
(なんで!?仕事いけよ!馬鹿!)
おかげで防御だけは一番早く一人前に出来るようになった。
でも、女性陣は割と優しく修行してくれる。


というか、なんで私修行してるの?


精孔をむりやりこじ開けられ(ひいいいいい)死ぬ思いで
忘れかけていた纏(てん)のやり方を思い出し
なんとか九死に一生を得た私は呼吸を整えながらふと疑問に思い
精孔をこじ開けた張本人のクロロさんに聞いたところ


「今更だな」と鼻で笑われ「単なる暇つぶしだ。」と
満面の笑みで頂いたありがたいお言葉は忘れたくても忘れられません。


ちきしょう!でもいいんだ!
暇つぶしで寝る場所だったりご飯だったり生活用品だったり
色々用意してもらってるし、いいんだ!グスン

溢れる涙を拭いながらした水見式。
グラスの中には緑色に染まった砂のようなものが残り舐めてみると塩っぱかったので
これは塩のような物だと判断。

きっと私の涙が塩になったのね…

とか呟いたら後ろでみんなが笑ってた。独り言ぐらい好きにさせて!




―――――

意外に気に入られる主人公。

前サイトより転記(3/22)

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