短編(ナルト) | ナノ
過去拍手SS/カカシ [ 1/1 ]



「おーい」
「…?」


きっかけなんて、どうでもよくて


「私、ですか?」
「うん、そう、おまえしかいないじゃない」



どうしても、手に入れたくなってしまった。


「なにかしました?私…」
「あー、いや。これ、落としたよ」
「え、あ!ああありがとうございます!」


幸せを手に入れることに、臆病な俺は


「これ、大事なものだったんです。」
「そう、よかった」


大事なものを作ることに、二の足を踏む俺は


「本当に、ありがとうございます。」
「…いーえ。どういたしまして」


どうやって君を振り向かせればいいのか、正直わからない。


「…あの。」
「ん?」


ただ、君の少し赤い頬をみて


「このお礼したいんですけど」
「え?」


俺の言葉に過敏に反応するその身体に



「いいいい嫌ならいいんですけど!」
「べ、べべべつにタダのお礼ですし!?」
「ただ、もしよかったらって…思っただけだし…」



その傷つかない為の言い訳に


「いーよ。」
「はっ!?」
「なに、ウソだったの」
「う、嘘じゃないですけど!」
「じゃあ、期待しとくよ」
「う、うん!期待しといて、カカシさん!」


少しぐらい、



「夜も空けとくよ、お前の為に」
「え、…夜!?」
「…ぶ、何考えてんの、顔真っ赤だぞ」
「ちょ、笑わないで!」


ほんの、少しだけ


「からかわないでください…」
「…からかってないよ。本気だけど」
「え?」
「じゃー、また」


期待してもいいかな、なんて。


傍にいられるだけで充分だとか、言い訳探しばかりしている。


title:確かに恋だった


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