序章です。
鬱陶しい僕の語り手から解放されると思いましたか?
残念でしたね、そういうわけにもいかないのです。めげずにご拝聴いただきたいものです。

さて、先程述べましたように、時は三年前に遡ります。
僕はその時、壬生谷中学校の三年二組、出席番号十七番に所属していました。
時期は一学期の中間テストと期末テストのちょうど間ぐらいです。
つまり行事ごとがぽっかりとない時期なのです。学園祭や体育祭があるのは二学期ですからね。
しかし仮にも受験生でしたから、何だかんだぴりぴりしているムードでもありました。
そんな、忙しいはずなのにつまらない六月二十七日、火曜日。
この時から既に僕と瑞姫は交際していて、屋上で一緒に弁当を食べていたときのことです(彼女の弁当は至って普通です、まあ彼女の母方が作られたのでしょう)。
彼女は僕に一つの質問を投げかけます。

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