喪章とは、人の死を悼んで腕や胸につける黒い布のしるしのことです。
誰が死んだかといえば、そりゃ僕なのでしょう。
そう、今までの僕が死んだのです。
これからは暴君としての僕がこの場所に君臨するのです。
・・・・・・って言ったら何だか厨二くさいですね。
それでは話を戻しましょう。
現在の状況といえば瀕死です。
簡単に言ったらそういうことになります。
僕はその鉄パイプの襲撃をもろに食らい、頭から血を流して倒れているようです。
「終わったらしいね」
「君のやっていることは結局私怨でしょう?」
「私怨? 確かにそうかもしれない、でもこれでいいんだ」
「自分勝手だなあ」
「そう言いながら君は手伝ってくれたじゃないか」
「君が頼み込むからだよ」
「ただ利害が一致していると知っていただけ、の間違いかな?」
僕がここに来る前にいたらしい二人が堂々と僕の倒れている前で話し始めました。
そこで僕の意識はゆっくりではありましたが元に戻っていきます。