伝説の北風「あーむしゃくしゃするっ! おい金! オレはイライラしてるぞ!!!!!」イライラ

金の太陽「なんだ伝! オレだってイラついてるんだよ!」ムカムカ

カップル「」イチャイチャ

伝「あーもう無理だ鎌鼬で切り刻む」

金「いやここはオレが太陽光線でこんがり焼いてやる」

伝「はっ? 先に怒ったオレがあいつらを殺すんだ」

金「いやいや、そこはオレだろ。理由はないけど」

伝「おまっ、まずお前から血祭りにあげてやろうか!!!!!」

金「そう来なくちゃ面白くないっ!! 来い!!!」

黒い雲「待ってくださいよ兄さん達! 落ち着いてください!」

伝「なんだぁ黒ォ!! お前から切り刻んでやろうか!?」

金「邪魔すんな! いくらお前でも容赦はしねえぞ!」

黒「に、兄さん、とりあえずあの二人は僕がなんとかしますから! 僕に案があるんです。今は落ち着いてください!」ザー……

カップル「なんでいきなり雨が!? 折角のデートなのにぃー!!」ビチャビチャ

伝「フゥフゥ とりあえずあの鬱陶しいのが居なくなったからお前は許してやろう」

金「で、案ってなんだ? そもそも何の?」

黒「兄さん、住んでる場所が違う兄さん達が言い合いをしてもだめです。人間を直接傷付けるのも言語道断です。だから、何かの目標を見つけてそれを達成できる方が勝ちとして、優劣を決めたらどうでしょうか」

伝「?」

金「日本語でおk」

黒「んーーーっ例えばほら! あっちから旅人が来ますね」

旅人紫「」テクテク

黒「あの旅人のマントを先に脱がした方が勝ち、というのはどうでしょうか?」

伝「マントを脱がすねえ! オレの風にかかれば大したことないな!」

金「なんだとぉ!? なら今すぐやってみろ!」

伝「おうよ! 目にもの見せてやる!」ビュォォォォォ

紫「うー? なんだぁ? 風が強くなって来たな」バタバタ

黒「マントがバタバタしてますね、いい感じです」

伝「くらえええええ!!!」ゴォォォォォォ!!

紫「ちょっ、無理無理無理無理!!!!!! 強すぎるだろ!!!!」ガシッ

金「あいつ、マントを着たまま木にしがみついちまったぞ」

伝「なんだとォ!?」ゴォォォォォォ

木「ヤメテクダサイ………」ゴォォォォォォ

黒「このままじゃ木が折れちゃいます! もう諦めてください!」

伝「ぐぅぅ」

紫「風が止んだなあ なんだったんだぁ? 罪深き俺-ギルティ・ボゥイ-に与えられた罰かぁ?」

金「ヒャハハッ今度は俺の番だな! あいつがあの橋を渡りだしたら始めるぞ!」

紫「急がなくちゃな。親父(レディ)が待っているんだ」テクテク

伝「男なのか女なのかどっちなんだそれ」

金「3、2、1、食らいやがれェ!」サンサン

黒「わわっ!? まぶしっ!」

伝「黒、サングラスだ」スチャ

黒「ありがとうございます」スチャ

紫「んーー 陽射しが強くなって来たなあ」ダラダラ

金「まだまだっ」ギラギラ

紫「あ、暑いなあ」ダラダラ

伝「おっ」

黒「相当暑いみたいですね。手で扇いでます」

金「うほおおおお!!!!」メラメラ

紫「ハァハァ」

紫「フフッ だが残念だったな! 俺のマントは一足先に夏仕様になっていたのだ!」

金「なにぃっ!?」ゴォォォォォォ

紫「通気性、吸水性に優れたこちらのマント 肌触りも抜群、そして極めつけは」

紫「驚異の冷感素材! 暑さも凌げる一級品だ!」バサッ

黒「誰に向かって話してるんだろう やばい人かも」

伝「半額シール貼られた値札が見えたぞ?」

金「そんな優れものに勝てるわけがない、最初から負け試合だったんだ」ボォォォォォ

橋「ヤベテクダダイ………」ドロォ

紫「うおっ橋が溶け出した!?」

黒「兄さんもう限界です! 諦めてください!」

金「ああ」シュン

紫「日が弱まったな 快適だ」

伝「つまりこれは、」

金「引き分けかあ」

紫「俺はどんな罰も乗り越える選ばれし勇者なのさ」フッ

黒「あの旅人に挑んだ僕達が馬鹿だったんです。あの旅人も馬鹿そうですけど」

伝「ぐぬぅ、だがこのままでは収まりがつかんぞ?」

金「マントの下が地味に気になる。ファッションセンスやばそうだし」

黒「うーん、直接頼めばいいんじゃないですか?」

伝「ゑ」

金「直接頼むぅ? オレ達が、あの人間に?」

黒「僕は知りませんよ。あとは自分達で解決してください」ヒューッ

伝「じゃあ金、頼んだ」

金「ああそうだな、お前はこういうの苦手だからな」

紫「待ってろ親父(マイバディ)! 今行くぞ!」

伝「あいつは誰に会いに行くんだろう」

金「おーい! そこの若人やーい!」

紫「天の声か。フッ、俺が居なくなったから天国は大騒ぎと言ったところかな」

伝「お前やりすぎたんじゃねえの」ボソッ

金「あれは元々なんだろ」ボソッ

紫「どうしたんだい? 俺はもう空に還る翼を失ってしまったというのに」フッ

金「ん、オレはそっちじゃねえぞ、こっちだこっち! オレは太陽!」

紫「君が太陽なら俺は月かな。ってハッ!? 太陽!?」バッ

金「そーだ、眩しいかもしれないがこっちを向いてくれ」

紫「なんで太陽が喋ってるんだ!? 俺は気が狂ったのか!?」

伝「元からだろ」ボソッ

金「えっおま、そっからかよ! さっき何かに話しかけてたのはなんだったんだ!?」

紫「独り言だっ/////」

伝「照れるなよwww」

金「太陽が喋るってことはとりあえず容認していてくれ」

紫「そ、そうか。で、太陽さんがこのダークスウィートヱンゼルに何か御入り用かな」

金「さっきから、突風が来たり太陽に焼かれたりしただろう?」

紫「ああ、地へ堕ちた俺への試練だな。それがどうした?」バサ…

金「実は、オレ達。つまり数柱の神が、ある目的でお前のマントを脱がそうとしていたんだ」

紫「マントを? なんでまた」

金「まあ、その事情については追々」

紫「でも分かったぞ。とりあえずマントを」

紫「って待てよ? まさか太陽様は、ストリップショーが見たかったんじゃあ」

金「は?」

紫「きっと神々も娯楽に飢えておられるんだろう。ここは俺が一肌脱いでやろう」バサッ

伝「ちょっ」

金「えっおま、待て待て待て待て全部脱がなくていいんだぞ? なあおい?」

紫「鍛え抜かれた肉体美、御賞味あれ!」バサバサッ

伝「ちょwwwおまwww」

金「脱ぐなーーー! 着ろーーーーーー!」

伝「あ、おいなんかこっち来るぞ!」

金「あ、あれはまさか」

紫「どうだ太陽! 俺のマグナムが眩しすぎて声も出せないか! ん?」

警官青「紫っ! 猥褻物陳列罪で逮捕するぞ!」

紫「あっ」






青「お前は俺の弟だから理由によっては見逃がしてやろう。どうして、道のど真ん中で全裸になったんだ」

紫「太陽が眩しかったから」フッ

 その日一人の若人がブタ箱行きになった。



おわり




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