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リコがラボに向かってから数十分、新人はラボの扉に耳を押し付けて中の様子を伺っていた。
時々中から聞こえてくるコワルスキーの悲鳴のような声に、あの時の自分と同じ何かを感じた。
コワルスキーが、あの時の自分と同じ事をされている…。
その姿を見てみたい、とか何されてんだろう、とかっていけない好奇心が湧いてしまう自分はもう自分とはかけ離れた自分にしか見えなかった。
「…新人?」
「うわあっ!?たたた隊長!?」
突然背後から声を掛けられて飛び上がった。
振り向けば自分を見下ろす上司の姿。
やっと帰って来たんだ!
「あっ…お帰りなさいっす隊長!!」
「ああ、ただいま。…新人?」
しきりにラボの方を気にする新人に疑問符を浮かべた隊長だったが、扉の向こうから聞こえた絶叫ににやりと笑った。
「ああ…あいつらならそっとしてやれ」
「…っ…!」
どきん、
「…新人?」
ダメ…いけない感情が心を支配してる…駄目だって分かってるつもりなのに…抑えられない…隊長にしてもらったら、気持ちいいんだろうな…
「…たいちょう…」
小声で呟く。既に興奮しきっている。頭は快感を欲している…
「…同じこと…してくださいっす…」
「…新人…」
当てられたな、
隊長は新人を押し倒しながら笑った。
おわり
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