怪しい音が響くラボ。そこらの試験管やフラスコに入った液体を弄った後、彼は怪しい薄紫の液体を新人に手渡した。

「これを飲むんだ、新人」

「いいっすけどコワルスキー、これ何の実験なんすかぁ?」

 彼は鼻で笑っただけで何も答えなかった。新人は不信に思いながらも、少し生暖かいその液体を口に含む。

「うげぇっ……コワルスキー、甘すぎっす………レモン入れたら…?」

「味についてはまた後で調節する」

 少しねばねばしたその液体は、世界中の甘いものを凝縮して溶かしたかのようなおぞましい甘さをもっていた。甘党の彼でさえ不快になる味だ。隊長が飲んだら失神してしまいそうだと思った。

「で、どうだ新人」

「どうって、何がっす?」

「特に何も感じないならまだいい。そこの椅子に座って待っていろ」

 椅子を指してそう言った彼の指示に従い、小さめな椅子に腰掛ける。妙にクッションが柔らかで気持ちいい。暫く暇になりそうだったので、新人はクッションで遊びながら彼を観察する事にした。
 時折様子を伺ってくる。いつもの疑う目と視線がすれ違った。と思えば色とりどりの薬品をかき混ぜたり、眺めたり。新人には何しているかさっぱりだったが、観察するのはとても楽しかった。

「………最近殆ど見ないっすけど、リコは一体なにしてるんすかね?」

「さあな、どうせジュリアンの所にでも行っているんだろう?」

 急に声色が変わった。不機嫌そうな、低く唸るような声…吐き捨てるようにそう言った後、嫌な思い出を忘れようとしているかのように首をブンと振った。

「…………そんな事より、どうだ新人?」

 彼はクッションを握りしめたまま俯いていた。もう一度名前を呼ぶと、困り顔になった彼は控えめに顔を上げる。少し前かがみで、内股気味だ。

「あのー……コワルスキー、トイレ…行ってきてもいいっすか?」

 にやり、コワルスキーの口が歪む。彼は新人のもとへ歩み寄ると、サディスティックな冷たい目で見下ろした。

「……こわるすきー?」

「もしかして、お前………」

 薄青の純粋な瞳が青く冷たい瞳を見上げる。コワルスキーは少し屈み込むと、黒く微笑みながら新人に手を伸ばした。

「なに………?……ひぃッ!!」

 甲高い悲鳴がラボに響く。緩く立ち上がったモノをズボン越しに鷲掴みにされたのだ。新人の薄青の目はかっと見開き、頬は真っ赤に染まっていた。

「……実験は成功だった」

「やめてくださいっす………あうっ、動かさないでぇ…」

 ビクリ、と小さな体が跳ねる。半立ちのそれを握ったまま手を上下に動かせば、まだ柔らかかったそれはみるみるうちに硬く大きく育っていった。

「これくらい自分でできるっすからっ!……あああっ……やめてぇ…………」

 自分でもあまりした事の無い行為を他人に、ましてや女の子でもない上司にされるだなんて…彼は必死に腕を引き剥がそうとしたが、快感が強過ぎてロクに力が入らないし体格も桁違い。力で敵うわけがなかった。コワルスキーはそんな彼の細かな抵抗に口角を吊り上げた。

「気持ちいいだろう……?黙って感じてればいいんだ、新人………」

「やだっ……あっあっあっ……気持ちよくなんか………ああっ!」

 立ち上がったそれを取り出して直に刺激してやれば、彼は小さな背中を弓なりにしならせて喘いだ。抵抗するはずの手はいつの間にやら快感を求め押し付ける手に変わっている。蜜を垂らす先端を親指で抉ってやると、声にならない悲鳴をあげて口の端から涎を零した。

「だめっす!もう……出るううっ!!」

 一際大きな喘ぎ声と共に、新人は体を小刻みに震わせながら果てた。その様を冷静に見ていたコワルスキーは手の中に出された温かい白濁液をじっくり観察した後、まだ熱が残っているうちに舐めとってよく味わう。

「やはりお前も"男"なんだなあ…濃いぞ、最近抜いてなかったんじゃないのか」

「ううっ……」

 汚い、とか、恥ずかしい、とか思ったが、すぐにどうでもよくなった。それよりもまだ気持ちよくなりたい、もっと気持ちよくしてほしいという感情が勝るのだ。また中心に熱が……

「……もっとやって、おねがい………」

「……若いな、」





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