毎晩のうっとりするような甘い時間 2人だけの部屋で2人だけの時間 リコはこの時間ダイスキ さっきからズットズット言ってる ズットズット

「スキスキ…ダイスキ…コワルスキ…」

 するとコワルスキーはいっつも言い返してくる オウム返しに

「私もだリコ…大好きだぞ…」

 …いつからだっけか この言葉がこんなウスッペラくなったの
 知ってからだろうなたぶん 知っちゃいかんかったあれを
 コワルスキーはウソつき

「…ダイスキ…」

 でもスキ リコはコワルスキーを愛しちゃった コワルスキーがリコのことスキじゃなくてもリコはコワルスキーがダイスキなんだ これは変わらん

「…そろそろ寝るか…」

「ン…」

 冷めた目でリコのそばから離れようとしたコワルスキーのフリッパーを掴んだ まだ寝たくない もうウソでもいいからコワルスキーの愛がホしい でも

「…グッナイ」

 掴んだフリッパーに一回だけキスして離した コワルスキーはラボに逃げていった リコは寝床に入った 隊長も新人ももうトックに寝てる ああカナシい

 リコは知ってる 知っちゃいかんことだが知ってる コワルスキーがまだぷるぷるを飼ってること
 アイツは新しい能力を手に入れやがった 何にでも化ける能力だ コワルスキーはそれを使って毎晩ドリスとアソんでる 女々しい野郎めまだ忘れられんのか

『ああ…コワルスキー…好き…』

『私もだドリス…愛してる…』

 水槽の中のくぐもった声とコワルスキーの声が扉の遥か向こうから聞こえる リコはなんでこんなに耳をすませてるのか…リコだって結局女々しい野郎
 コワルスキーからの愛がホしいだけ でもコワルスキーは絶対リコを愛してくれない 片思いってヤツか…リコはひとりだけ ひとりぼっちの愛 ああ畜生

「…コワルスキー…」




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