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………その時だった。
( _ゝ )そ
…………ッ……!
突然兄者が背中を押さえ、苦しげに体を跳ねさせた。
(´<_`;)
……どうした兄者?
(; _ゝ )
っ、分からんっ………痛い……ッ!!
(´<_`;)
ちょ、看護婦を呼ぶか!?
(; _ゝ )
いや、いい………
兄者は布団の中で背中を押さえ、うずくまってしまった。
脂汗を垂らし、歯を食いしばって痛みに耐えている。
(´<_`;)
……大丈夫………って、兄者!?
(;´_ゝ`)
……え…………?
(´<_`;)
背中から、なんか出てるぞ!?
弟が背中を触った時、何かとても柔らかくふわふわしたものに触れた。
衣服の感触ではではなさそうだったし、2人は慌てた。
:(;゚_ゝ゚):
っぎ……!! いたい!!いたい!!
ますます痛みは強くなったようで、兄者は掠れ声で叫んだ。看護婦は来ない。
(; _ゝ )
……ぐ、う…………えあ……?
( <_ ;)
あ、あにっ……!?
ずるりと何かが抜けたような感覚に、兄者は間抜けな声を挙げた。
同時に弟もあんぐりと口を開き、その場に固まってしまった。
彼は見てしまったのだ。兄者の翼を。
(;´_ゝ`)そ
…………やっ、た………やった!
( <_ ;)
あ、あ……
透き通るような空の色をした、大きくて美しい翼だった。
弟は唖然としていたが、兄者は喜んでいた。念願の翼が生えたのだ。
(´<_`;)
………俺は……止めないよ………
( ´_ゝ`)
………いいのか……?
(´<_` )
良かったな、兄者………
弟はすぐに病室の窓を開けてやった。
兄者が夢見た世界が、輝く太陽が、ふわふわの雲が、そこにあった。
( _ゝ )
ありがとう……
兄者は窓の淵にしゃがみ、翼を強く羽ばたかせながら淵を蹴った。
(;´_ゝ`)
……うわっ
兄者の体はふわりと宙に浮かび、そのまま、力強くいくつか羽ばたいて太陽へと消えてしまった。
(´<_` )
…………あにじゃ……
病室には、弟と、兄者が飲んだ空き缶だけが静かに佇んでいた。
そう、彼が一飲みしたそれは―――
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