( ´_ゝ`)
 ……生きた人間の内臓を調べたいって………本当だったんですか?

 博士の体が跳ねた。これは図星を突かれているな、と助手は悟った。そして拘束を外すように訴える。博士は冷や汗を流しつつ慌てて拘束を外した。

( ´_ゝ`)
 はあ……唇が痺れて喋りにくいです

(;;^ω^) そそ
 だだだっ大丈夫かお!?

 博士は唇の異変を調べようとした彼の顔を掴む。首を捻り殺されると錯覚した助手は短い悲鳴を上げた。

(;´_ゝ`)
 博士やめてくださっ……!!

(;^ω^)
 やっぱり……やっぱり合わなかったのかお!? どうしよう………今さら戻すなんて事………!

(;´_ゝ`)
 やっぱりお前何かしたんだなっっ!!

 おろおろする博士に怒鳴りながらその腕を払う。力の抜けた足で手術台から離れた。そして自らの唇を指でなぞった。

(#´_ゝ`) そ
 ひっでえ! こんな縫い目……!!

 博士はなんとか弁解しようとしたが、遂に助手が納得できそうな言い訳を思いつく事はなかったので、縫い目に関してのフォローを入れる事にした。

(;^ω^)
 だっ、大丈夫だお! 僕が細心の注意を払って真心込めた縫合、3日も経てば消える事を保証するお!

(#´_ゝ`)
 どう保証するんだよ!! ああ、全く………

 彼は棚のガラス戸を鏡代わりにして、再び悲鳴を上げた。そして何度となく発声練習をした後、へたへたと座り込む。

(;´_ゝ`)
 嘘だろ……これ、女の子の唇………

 数秒後空気中に音波となって博士の弁解の言葉が羅列されたが、そのどれ一つとして彼の耳に入る事はなかった。


***


 助手は体が痺れたたまま帰宅し、ベッドに直行した。休日を過ごしていた彼の片割れはそんな兄の異常な疲弊具合に気付き、冷水を持って寝室に向かった。

(´<_` )
 大丈夫か? あんた、顔色悪いぞ

 随分と適当な言い回しではあったが、兄は彼の気遣いを察し、声にならない返事を一つした。そして口元を隠して若草色の瞳を見つめ、悲しげな声を上げた。

( ´ ゝ`)
 今日はブーンが………生きた人間のハラワタを観察したいとか吐かしたんだ…

(´<_` )
 まさか……取られた?

( ´ ゝ`)
 いいやもっと酷いね……だって奴は

 唇を覆っていた手を外した。曝される血に染まったような二枚貝。弟の目は一杯に開き、兄の顔を何度も見回した。

(´<_`;)
 なんと………何故にそんな無意味な事を………

(;´_ゝ`)
 だろ? ……ハラワタの1つ2つくれてやった方がまだマシだったよ

 それから兄はコップの水を飲み干し、ざらついた縫い目をなぞった。

(lll´_ゝ`)
 曲がりなりにも、尊敬してたのにな………





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