弟者は絶対零度の如く冷たい眼差しで太った男を睨みつけた。
 その視線はさながら空気までも凍てつかせてしまうようで、ブーンは蛇に睨まれた蛙のように固まってしまっていた。

「嫁よりも痛く、息子よりも辛い死に方をさせてやりたい………」

 転がっていた子どもの生首を思い切り踏み潰す。
 耳に残る嫌な音を立てて、いとも簡単にそれは潰されてしまった。

「……次は俺の話、聞けよ」

 兄者が鋭い爪を喉に突きつけて言う。
 近くにあった子どもの腕と思われる肉片をブーンの口にむりやりねじ込んでから、少し乱暴に語り始めた。






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