3
…鬱蒼と茂った森の中を、背の高い2人の男が歩いていく。
それぞれ青と緑の髪に狼の耳と尻尾を生やした男が、大きな剣を両手に握り締め歩いていく。
「…ころしてやる…ころしてやるころしてやるこ ろ し て や るこ ろ し て や る」
恨みの籠もった青い目を見開き、青い人狼:兄者は何度も何度も狂ったように殺してやると呟き続け、緑の人狼:弟者は彼と同じような悲しい目をしていた。
彼らが向かう目的地は、あの幸せな家庭を持つ太った男の家だった。
[ 20/52 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]