…キッチンから、包丁がまな板にぶつかる小気味よい音が聞こえた。
 可愛い妻が、毎日のように美味しい料理を作ってくれる…
 これはよく舌の肥えたグルメな彼には少々幸せすぎた。
 リビングで最愛の子ども達と仲睦まじく遊ぶ夫:ブーンは幸せを噛み締めながら、キッチンから漂う美味しい香りに胸を踊らせた。

「できたわよー!」

 元気のよい妻の声が部屋中に響く。
 子ども達は一斉にそちらへ駆け出し、エプロン姿で出てきた妻:ツンを追う。
 ブーンはイスに掛け直ると、小さい子から順にイスに上げていった。

「頂きますおー」

 窓からきらきらと射す朝日が眩しい。
 娘が近所から貰ってきたというキャベツは瑞々しく、このさわやかな朝のサラダには実に最適だ。
 ブーンは舌鼓を打ちながら素晴らしい朝に感謝した。





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