テゾーロ

これの続き。

「一つ聞きたいことがあるのだが」
「は、はい。なんでしょうかテゾーロ様」
「最近私のことを避けてないか」
「え゛」
「図星のようだな」
「い、やいやいやいや。滅相もございませんであります。わたくし如きがテゾーロ様をお避けになられ遊ばせるなんて、と、と、と、とんでもなく存じ上げまするでございまするでございます!」
「焦り過ぎて滅茶苦茶な敬語になってるぞ。―――いや、いい。心当たりはある。……バカラから例の話を聞いたのだろう」
「は、はぁ(テゾーロガールズとかいうセクハラ職場に躊躇なく放り投げようとするおっさんきめぇから避けてたとか言えない)」
「いきなりのことで、避けられるのも無理はない。いや本当なら時機を見て私が直接言うべきだったのだが……まさかバカラが一日目でストレートに君に言うとは思っていなかった。気分を害しただろう。すまない」
「い、いやいやそんな……(直接テゾーロ様に言われたらそりゃ断れないわ。断ったらゴルゴルされるもの。ゴルゴル。姉さんぐっじょぶ)」
「ただ、叶うならば……もう一度だけ私にチャンスをくれないか? 今度は君に、直接言いたいんだ。今、ここで」
「いま!? いま……えーっと…………(姉さんんんん!? 何も心配しないで、って言ってたじゃんんんん! 無理だよ! 直接言われたら断れないんだから! Yesバナナ、Noセクハラ! あとゴルゴル!)」
「……駄目か?」
「(あ、ああ。ダメだこの流れ。一旦帰って姉さんと作戦会議練るにも、まず帰ろうとしたらゴルゴルされるし、聞いたとして「無理です」って突っ撥ねようもんなら問答無用でゴルゴルされる。「やりたいです」って泣いて喜ぶ以外ゴルゴルされる運命しかない。ううっさよならわたしの平穏。せめて貞操だけはっ……)…………どうぞ」
「ありがとう。では改めて言おう。……私と結婚を前提に付き合ってくれ」
「えっ」
「えっ」


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