バカラ

「突然ですが、姉さんとわたしがテゾーロ様に雇われて早数年となります」
「あら。もうそんなに経ったの? 早いわねぇ」
「そうだねぇ。時間が経つのは早いねぇ。ところでわたしの仕事と報酬のことなんだけどさ。姉さんは能力者だし幹部だしお仕事も超重要な役割してるから、それなりの報酬貰えるってのは分かる。というかこれで貰えてなかったらテゾーロ様訴えてやる」
「こらこら。誰が聞いてるか分からないわよ。それで?」
「―――でもさぁ! わたしの、仕事もそうだけどさぁ、報酬! おかしくない? ほら見てこの異常な給与明細!」
「…………そうね。思ってたより、少し、少ないわね」
「違う違う違う。そうじゃない。むしろ逆! 多い! 多すぎる! 仕事と報酬が釣り合ってない! なんでこんなに身の程知らずなお金貰ってるの、わたし。恐れ多いわ!」
「? そうかしら。でもあなたのお仕事だって、とても重要よ。いつもお姉ちゃんのお手伝いしてくれてるじゃない」
「言うて姉さんに運気吸われた相手の近くにバナナの皮置くだけの簡単な仕事なんだけど」
「でも、バナナ好きでしょ?」
「好きだけど。好きだけどやっぱりこの報酬は貰いすぎだよ……」
「うーん。そうね、そんなに気になるんなら、あの話、受けてみる?」
「あの話?」
「ええ。テゾーロ様から是非あなたにしてもらいたい、っていうお仕事の話があるんだけど……お姉ちゃんの方で止めておいたの。あんまりオススメできないから」
「え、なになに。どんな仕事?」
「一生テゾーロ様のお世話をして、テゾーロガールズみたいに一緒にお風呂も入るお仕事」
「バナナ超うめぇ!! 自分一生バナナ食って生きていきますわ!!」

「そう。ならこの話はお姉ちゃんが直接テゾーロ様に断っておくからね。あなたは何も心配しないで、今まで通りお姉ちゃんの側にいるのよ(別に嘘は言ってませんからね、テゾーロ様)」


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