荼毘
※学パロ
※アニメ勢ネタバレほんのりあり
「留年した」
「何してんですかあんた」
Q.三月まで確かにひとつ上の学年に居た筈の先輩が「同クラだなァ」ってヘラヘラ隣で笑って留年を告げてきた時の元後輩の心情を10文字以内で述べよ。
A.轟教頭可哀想……。
色々派手にやらかして轟教頭に多大なる胃痛を与えて留年を果たした荼毘元先輩現同級生。元後輩としては情けないやら何やらで……。
ただ別に勉学の方面でやらかしたのかと言えばそうでもない。あくまで色々。そう、色々()。
「よォ赤点元後輩ななこチャン。さっさと帰ろうぜ?」
「うーわ、留年荼毘元先輩……」
放課後、生真面目に赤点補習課題に取り組んでるななこの前の席にどっかり座って邪魔してくる不良元先輩。目の前の問題用紙と問題児に二重の意味で頭を抱えるななこ……。
「あたしも帰りたいんですけど、これ終わらせなきゃいけないんで……」
「ふーん」
ななこがうんうん唸ってる間に興味無さそうにななこの教科書パラパラ捲る荼毘。
と、不意にばーん、と課題プリントの上に教科書叩きつけて、吃驚するななこを他所に「ん」って徐に教科書のページを指でトントンしてくる……は、なに……。
「?…あ……おお…!」
よく見たらそのページは今正に躓いてた問題のヒントで。
あとはスルスル解けて荼毘のお陰で課題完了。
ありがとうございます、ってお礼言おうとして…その前に荼毘に頭を掴まれて、そのままぐしゃぐしゃ髪を撫でられるななこ。
「やりゃアできンじゃねえか」
ニッと笑う荼毘元先輩が、いつもの人を喰ったような姿とはどこか違って…、
なぜだかドギマギしながら「りゅ、留年元先輩に言われたくねぇ……」って憎まれ口叩いてしまう……。