荼毘

「"妖怪枕交換"……?」
「はい。あの、きいたことは……?」
「ねェ」
「ですよねぇ……。あ、でも、まくらがえしのほうは、ゆーめーだとおもうんですけど……」
「……枕返し、は、うっすらと」
「まくらがえしはわたしのいとこなんです!いいなぁ、あっちはちめいどあって」
「(いとこ……?)」
「えっと、つまりわたしは『あやかし』だけど、あやしいものじゃありません!いとこにゆうめいなまくらがえしがいますし、れっきとしたようかいなんです!……だからくびねっこつかまないで。くるしい」
「歴とした妖怪ってのがまず可笑しいだろ。つまりなんだ。毎夜夜這いしてたのはてめェだったってことか」
「よ、よ、よばい!?しっけーな!わたしはしょくむをまっとうしただけです!」
「へぇ。ならその職務とやらはなんだ。この見覚えない枕でも使って俺の命を吸い取るつもりかァ?」
「?わたしのしょくむは、あわないまくらをつかってるひとのまくらを、ぴったりなまくらにこうかんすることです」
「……それで?」
「……"それで"?」
「…………おいまさか本当にそれだけなのか?おまえはそんなことのためだけに存在している妖怪なのか?」
「え、なんでそんなかわいそうなものをみるめでわたしをみるの……?」
「…………」
「え、やめて。ためいきしてかたポンてしないで。え、え、わたし、ほかになにかやったほうが……?」

――

妖怪枕交換
見た目ロリ娘。着物かな。いつの間にか自分の枕と見知らぬ枕を交換されていたらそれはこの子の仕業。でも見知らぬ枕は自分に一番合う枕という。更に交換したからといって、いとこの枕返しのように命を吸い取ったりしない。ただただその人に一番合う枕に交換するとても良い子。健やかに眠ってくれ荼毘くん。


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