* 昔は、 「おめーのチチさわったぐれーでテンション上がるかっつ──の!」 「お前どこが気に入ったんだよこの暴力女の」 「おめーのボディなんて興味あるかっつーの!」 とか何とか言ってたくせに。 「──ヒメコ」 猫のようにすりよって来る彼の頭を撫でる。 「何や、えらい可愛らしいやないの」 「男に可愛いとか言うなよ」 そう言って、右肩に体重をかけてきた。 「……」 やばい、ごっつ可愛い。 「何ニヤけてんの」 「別に〜〜」 頬に触れる癖の強い髪がくすぐったかったり、右肩にかかる重さが心地よかったり。 そんな些細なことで嬉しくなってしまったり。 「なんか、幸せやなぁ思て」 少し間をおいて、右手に彼の手が重なる。 「同じだ」 ヒメコはゆっくりと瞼を閉じた。 二人の幸福論 キミが隣にいてくれたら、それでいい 甘いのが書いてみたかった。 12.8.31 〇 |