漫画を読み耽っている彼の隣に座り、背筋を伸ばして手を膝の上に置いた。
「なぁ」
「ん?」
「何でアタシやったの」
 ページ捲ろうとしていたその手を止める。
「何の話だよ」
 おめーはいつも一言足んねーんだよ。
 怠惰そうに呟いた。
「部員二人目」
 淹れたばかりのお茶を手にとる。
 深い緑の上に自分の顔が浮かんでいた。
「さぁな」
 再びページを捲る。
 その視線は下に落としたままで、こちらを見てはくれなかった。
「アタシがどこの部活にも入ってなかったからか? それともケンカが強かったからか? それとも…」
 台詞の続きは言えなかった。
 口の中に残ったそれを流し込むようにお茶を飲む。
「最初声をかけたのは、ポップマンの話ができるって思ったからだったけど」
 漫画を読むのを止め、腕を組んだ。
「なんつーか、直感的にそう思ったんだんだろうな」
「……ふぅん」
 ま、正解だっただろ?
 歯を見せながら笑う彼に、思わず笑みが溢れた。


恋とは、彼なしでいるより、彼と一緒に不幸でいたいと願うこと byキム・グローブ





『60億人の名言』というサイト様から素敵な言葉を発見!
ぜひ使ってみたい、と書いてはみたものの…内容が恋愛じゃない。

12.11.18






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