その日のヒメコの掃除場所は教室の黒板だった。
 正直あまり好きではない。
 黒板掃除が嫌いな理由其の一、制服が汚れる。
 其の二、独特の粉っぽい空気がキツい。
 其の三、
「……っく、とどかんっちゅーねん」
 上の方に手が届かなくてイライラする。
「いややもう……」
「何一人でブツブツ呟いてんだ?」
 背後から聞きなれた声が聞こえた。
「なんや、ボッスンか」
「なんだってなんだ」
 既に掃除は終わったらしく、カバンを持っている。
「上の方とどかなくてイライラすんねん」
「よっしオレに任せてみろ!」
 黒板消しを手に取ったボッスンは難なくヒメコの消したかった部分を消してみせた。
「男子の身長舐めんなよ!」
 得意気に言うボッスン。
「そんな自慢するほどやないやろ! ……でも」
 照れくさくて背中を向ける。
「ありがとうな」
 小声で呟いた感謝の言葉は聞こえたのか否か。
「手ぇ洗いに行こうぜ」
「せやな、なんか粉々すんねん」
「粉々?」
 二人は教室を出ていった。


9センチ高い世界は何が見えるの?






無理矢理終わらせた感がハンパない。

12.9.16



おまけ → 色々と残念すぎる没文






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