現在


「そっれでねー!トキヤがもう、こんな顔して、貴方は何をしてるんです?それでもハンターですか?なんて叱るの!俺泣きそうになってさぁ」

「うん。……うん」

「そこでレンが、イッチー、そんなに怒るとシワが増えるよ、なんて茶化すから俺、レンと一緒に正座っていう羽目になって…」

「うん。…うん」

「ねぇ……四季。聴いてる」

「うん……うん」

「四季」

「うん……っ、ぐ」

「四季!?」

ぼーっと上の空だった四季は、突然目を見開くと前かがみになって咳き込みだした。慌てた音也は立ち上がるが、どうしていいかわからず上げた手をさまよわせる。しばらくして咳き込むのを止めた四季は、気にするなと言い捨てた。さりげなくティッシュで口元を拭いたように見えたが、音也はその時見てしまった。

拭われた口元と、手に赤い何かがついてるのを。

「四季っ!!そ、れ。どういうことだよ!」

「……ハンター君は知らなくて良い話だよ」

「でもっ……」

「ハンター君…聴かないでって言ったら聴かないでいてくれる?君は」

「それは、無理かも」

「そっか。うん、君は素直だね」

四季は笑うと、丸めたティッシュをゴミ箱に投げ捨てた。淵にあたって跳ね返る。

「あーあ。外した」

立ち上がってティッシュをゴミ箱に捨てなおすと、座る。ふと音也の真剣な目に気づいて苦笑した。

「これ、ちょっとした病気でね、」

「嘘つき。そんなんじゃないくせに」

「……君、やっぱりきらい。私の言葉にかぶせてくるし、しかも嘘まで見抜くアホ」

「……」

「何も聞かずに、殺してはくれないかぁ」

静かに頷く音也を見て、四季は背筋を伸ばした。目の前のカップに二人分の紅茶を注ぐと、音也用に砂糖を入れたカップを滑らせる。

「ありがと」

「どったまして。で、聞く?……聞いて、くれる?」

「…もちろん。このままじゃあ、俺、納得できないし、四季も殺せない」

「ハンターらしくないハンター君だね、君」

「知ってる」

「やっと本当の君を見ることができた気がしたよ。ハンター君」

紅茶を一口だけ飲むと、四季は語り始めた。自分のことを。自分の過去を。


――――――――――――
短い(´・ω・`)
そしてどーいたしましてを略してどったまして(笑)
12.10.14



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -