「っはぁ、はぁ……!」


逃げろ、逃げろ、逃げろ。捕まればおしまいだ。あの狂気に狂った笑顔を思い出すだけでゾッとする。あの青い頭の男は、狂気に満ちた表情で、私を抱きしめるのだ。そして、隙あらば殺そうとする。

もうたくさんだ。こんな実験施設から……逃げ出してやる。同じ考えを持った翔子という女と一緒に逃げ出したんだが(彼も黄色髪の人間に囚われていたらしい)途中ではぐれてしいまった。

逃げ疲れた私は、とある部屋に逃げ込む。とりあえず、脱出方法を考えなければ…いや、練り直さねば。私が立てた計画は、翔子と一緒でないとできない。

小さなロッカーに潜む。あまりの恐怖に体が震えるが、そんな物音一つ立ててはいけない。自分の体を抱きしめていると、部屋が開けられた。

こつこつ、と音がここで止まる。開けられるのか。……見つかるのか。もし見つかったのなら、体当たりをしてその隙をついて逃げ出すしかない。

…コツコツ。


音は去った。でも、恐怖からか…私は体感時間にしておよそ二時間、そこに隠れていた。



(……行ったか?)


計画もどうにか練り直せた。私はゆっくりと扉を開ける。







差し込んできた光と一緒に目に映った、鮮やかな青に私は絶望するのであった。




(扉が開けられなかったからといって、人間が去ったわけではあるまい)






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