「もうマジで許さない!那月!お座り!!」

「はい〜」

「んで!こっち向け!」

「はぁい」


キラキラといい笑顔でお座り待機する那月の顎を掴むと、私は歯ブラシを突っ込んだ。皆さん、信じられますか。こいつ、朝起きた時に歯磨きしないんですぜ。

友人に言いつけたら、なんか、それ普通だろと言われたけど、私は許せない。だって口の中ぬるぬるするじゃないか。朝おきたら顔洗って歯磨き!これ基本。

で、今は別に寝起きとかそんなんじゃないけど、三時のおやつ食べたあとにすぐ遊びに行こうとするから、そんな那月を押しとどめて歯ブラシを使用。中学生にもなって、身の回りどうこうできないとか、信じられない!


「あなたって、本当幼なじみの私がいないとダメね!」

「へへ、そうかもしれません」

「口閉じんな!開けとけ!」


しゃかしゃかと那月の歯を磨く。途中で、


(あれ、私がする必要なくね?)


とか思ったけど、もう後の祭り。くそ、と思いながらしゃかしゃかし続けた。

しゃかしゃか

しゃかしゃか。

しゃかしゃか…………。


「んうっ…」

「変な声出すなよ、馬鹿」

「は、はひぃ……」

「っ〜〜〜〜!!!うがい!してこい!」


歯ブラシを引き抜こうとすると、その手を掴まれた。そしてその手を前後に動かす。またしゃかしゃかと音が聞こえた。


「ちょっ……え、なにその顔。なんで顔赤いの!?」

「ん……」

「ひ、ひぃいいいい!?」


次第に口元に溢れてきた唾液が伝い始める。それでも那月はその手を止めなかった。だんだんと赤くなる頬に、荒くなる息。本気で気持ちわりぃと思った。

だって幼なじみだよ?お互い鼻ちょうちん出して走り回ってる時代から知ってるんだよ?なんでそんなイメージ=鼻ちょうちんの人間に赤面できるの!?


「な、なつ、き……もう、うがいしなさい……」

「や…れふ……」

「嫌ですじゃねーよ!て、手ぇ離せぇええええ!!!」




「ふー、スッキリしました!ありがとうなまえ」

「おぇ…………。お、おぞましい……」

「なんですかぁ、勢い余って指舐めただけですよぉ」

「ひぎゃああああ!!那月!?いい加減私をからかうのをやめなさい!……いや、さては砂月だろてめぇ!」

「……なんのことですかぁ?」

「砂月だぁあああああ!!!!」

「いいじゃねーか。こんくらい。…………どうせ、来年にはお前とは会えなくなるんだ」

「……は?」

「那月は……。東京に出るからな。お前とは会えなくなる」

「な…………!?」

「おい、なまえ。……お前のことが………。いや、これは俺から言うべき言葉じゃねー。おら、出かけんぞ」

「ちょっ、砂月、今のkwsk……!」


――――
ギャグ、かーらーのー、ちょいシリアス甘(嘘
すみませんこんなこと妄想してます^p^











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