「……!?」
私は不意に殺気を感じて、私はソファーから体を起こそうとした。ついでに目も覚めましたわ。しかし、目の前に顔面ドアップの那月を見つけて、またソファーに逆戻りした。
「ああああ、あの、あの、ちち、近いんすけど、な、何っすか」
まだ一度も接近したことない距離まで近寄って来ていたので、寝ていた私はなんのドッキリかとあたりを見回す。誰もいなかった。音也あたりのさしがねかと思ったのに。
あわあわしていると、那月は私の頬に手を添えた。言葉は出さず、柔らかく微笑みながらひたすら頬を撫でている。今更ながらソファーに乗り上げているのでちょっと狭い。
肘掛を枕にして寝ていたので、ちょっと首が痛いんですけど……。って、それどころじゃありませんね。
「な、那月……?」
「はい」
「何をしているんですか」
にっこり。あんまりにも綺麗に笑うから、おもわず硬直してしまった。そんな私にも那月は遠慮なくぐいぐい近づいてくる。
「貴方が綺麗すぎて……。キス、したくなりました」
「……なっ!?ち、ちょっと待て!」
ファーストすらまだな私に、あまりにも積極的すぎないか……?那月は、初めてじゃないかもしれないけれど、私は初めてもまだなんですっ。腕の前で手をクロスさせた。で、その腕をやんわり外された。
「お願い、雰囲気も何もないけど、貴方に愛を伝えたいのです」
「や、そんなにお願い、されましても…あう」
「好き、なんです。今、突然に言いたくなりました。ねえ、だからいいでしょ?」
拒んだらいけないような雰囲気になっていて、周りにはお花とかぽわぽわしたハートが飛んでいる気がする。私は……小さく頷いた。
「そこを、動かないで」
キスをするから。
その言葉のあとに、優しく唇が触れた。
――――――――――――
なっちゃんのキャラソン聞いてやりたくなった。
←