「知ってるかい。私は実は木星の台風から生まれた台風の精なんだよ」
「そ、それは本当ですか!?」
「うっそーん」
「なんと…。また騙されてしまいました……」
なまえはケタケタと笑いながら向かいで正座してきいてるセシルの額を指で弾いた。のうっ!と悲鳴を上げ涙目になるが、それが可愛いからやめられない。
「知ってるかい。私はね、実はアグナパレスっていう、すごくすごく遠いところにある国のお姫様なんだよ」
「!!」
「どうした、セシルくん」
「い、いえなにも……(ワタシの国とは言えない……)」
「ま、嘘だけどね。まずそんな国聞いたことないし」
「(認知すらしてなかった!)そ、そうですか……」
なんか少しだけ嬉しそうになったセシル。なんだか悔しかったのでもう少しいじめてみることにした。
「知ってるかい。セシルくん。私は実は君のことが好きなんだよ」
「ええっ!……ま、また嘘ですか…?」
私はそれに答えずにそばのテーブルを引き寄せると、皿に入ってたキャンディをむいた。それをまだ口をパクパクさせているセシルの口に放り込む。
「うぐっ!なっ、なにをするのですか!!」
「飴玉。甘いかい?」
「あ、甘いです……」
「ふふっ、それはよかった。それはね、今の私の気持ちと言ったところか」
「へっ?」
「さーて、今日も窓際で日向ぼっこするか!」
「やっ、あのっ、今の話を詳しくお願――」
「おっやすみー!」
「あああ〜〜〜〜!」
いつからか好きになっていたらしい。しかしすぐ話してしまっては面白くないのでしばらく遊んでみたいと思います。
――――
一般夢主の家に居候するセシルくん設定。
←