「む〜…」
「どうした?なまえ」
「ちょっとね、これが分かんなくて……。あ!まさかこの別紙にあったりして!」
私は後ろからのぞき込んでくる真斗に笑いかけると、持っていた紙を持ち上げて下にある紙を見た。
否、見ようとした。
サクッッッッッ!!!!
「……?い、いだぁあああああああああああああああああ!!!!」
「!?どっ、どうした!?」
「めっ、目に!目に!紙が、眼球にサクって入ったぁああああああ!!!」
おーのー、と片目を抑えて椅子から転げ落ち、のたうちまわる私を真斗は押さえて驚いた表情を浮かべている。そうだな、今何があったかと言いますとね、持っていた紙を持ち上げて下にある紙を見ようとしたその瞬間、持ち上げた紙で眼球をサクっと切ってしまった。すごく、すごく痛いです。
死にそうです。
「おぉおおおおおのぉおおおおおおお!!!!!ふぉぃいおおおおおおおおお!!おいおいお〜〜〜〜!!」
「どうした!?頭は大丈夫か!?」
「大丈夫なわけないよぉおおおお!!!」
あいごー、あいごー、と真斗にしがみつくとよしよしと頭を撫でられた。いくら彼が私の癒しでも痛いものは痛いんだ。どうしたんだ。と尋ねられたので、見てただろお前!と理不尽にキレそうになった自分を押さえ込んで、丁寧に説明する。
で、説明が終わったとたん、ぐわっ、と強く頬を掴まれた。端正な顔がぐぐいと近くによってくる。
「な、なに!?」
「よく目を見せろ!……っ、涙が出ているではないか」
「や、あの…痛い…あいごー」
「………」
「あの、真斗さん、恥ずかしいです……それに、たぶんだいじょう……」
「大丈夫なわけあるか!!瞳の怪我はな、ほうっておくと化膿してしまうときだってあるのだぞ!」
「そ、そうなの……?」
「だからほら、こっちに来い!」
せんせー私はもう無理ですー。
あまりにも端正な顔が素敵すぎて、私はぱったりと意識を失った。
――――
えと、目がさくって切れたのはガチで今日あったことです。
うん、痛いです、目薬したほうがいいのか…?
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