「暇〜。ねぇねぇ時雨、なんか面白いことないかなぁ」

「うち基本暇ですから」

「まったく、少しは音也、落ち着きというものをですね…」

「そーだ!この三人で何かして遊ぼうよ!翔は那月に捕まってるし、マサはピアノ弾いてるし」

遊ぼうよー!とだだをこねる音也くん。私も丁度片付けが終わり退屈していたところだし、読書していたトキヤくんを誘って三人集まった。

何するかを考えてると丁度、ナイスなタイミングで本棚が目に入り、そこでミ○ケが目に止まった。

ニタリ、と笑うとその本を持ってきて彼らの前に広げる。

「これはなんですか?」

トキヤくんが怪訝そうな顔で本を見つめている。私は得意げになって二人に説明してあげた。

「とにかく、指定されたものを絵の中から見つければいいの。たとえば…」

ぺらり、とページをめくって、例をあげる。

「白いコウモリ、どこかにいるよ。ってあるでしょ?そしたらこの絵から白いコウモリを探せばいいの。ただそれだけ。簡単でしょ?」

でも不思議と暇はつぶせるんだよねー。音也くんは楽しそうに身を乗り出して大きな絵本の中からコウモリを探している。

トキヤくんは?と無言の視線を投げかける。彼はあんまり乗り気じゃないみたい。持っていた本をまたぺらりぺらりとめくり始めてしまった。

うーん、失敗したかな。

「ねぇ、トキヤも遊ぼうよ!せっかく用意してもらったんだし」

「私は別にやらなくても…」

「時雨が悲しむよー。ね、やろうよ!」

「…………悲しませるわけにはいきませんね」

「え、いやいや無理はしなくても…」

「じゃあ勝負だ!」

いいのに、と言う前に決定事項を述べるよう音也くんが張り切って宣言した。いくつ見つけられるかという簡単な勝負らしい。

トキヤくんも勝負となれば結構やる気を見せてたので、まぁいいかな。と笑う。

べ、別に扱い易いな、だなんて思ってなんかないんだからね!嘘です思ってました!

「それじゃあ時雨は読み上げてくれる?」

「ま、任せて!ようし、それじゃあ負けた方には罰ゲームということで!」

「な!?なんですそれは!」

「そのほうがやる気でるでしょ〜?」

ふふふ、と我ながら不気味に思える笑みをこぼすと、早速読み上げた。

「茶色のこぐまのお人形」

「ありました」

「ハヤっ」

即答でこぐまを指差したトキヤくん。あまりの速さに目をむいた。音也くんが、わぁ!と声を上げる。

「すげートキヤ!よぉーし俺も負けてられないね!」

「小さな小さな雪だるま」

「はいこれっ!」

「違いますこちらです」

「トキヤくんの方だよ…正解。音也くん、それはダミーでしょどうみても!」

「ちぇっ。はい次〜」

わきゃわきゃと三人で騒ぐ。くだらないことをしてるなぁ、なんて思いつつも、これが意外と楽しく思えてしまう。

「あ……。もう終わっちゃった。残念なくらいに早いね、時間がすぎるのって」

「ほんとだ………」

しょぼん、とした顔した私を見て、音也くんも少しだけ寂しそうな表情を浮かべた。かわってトキヤくんは涼しい顔で、ふふふと笑っている。

珍しいな、こんな風に笑うなんて。って思ってるとトキヤくんが私の袖をひいた。

「そんなに悲しそうにするんじゃありません。楽しい時間は早く過ぎてしまうものです。どうせ貴方は私たちが帰る時間があと少しで来てしまうとかで顔を曇らせているのでしょう」

「な!?なんでわかるの」

「顔に書いてあります」

「私の顔は文字書けるほどのっぺりしてません…」

「ほら音也も。二人して膨れてないで………次の遊びでも考えましょうか」

「「え?」」

二人して目をぱちくりさせていると、トキヤくんはにやりと笑った。

遊び足りないのでしょう?と言われたらたしかにそうだ。

「りょーかい!」

「じゃあ次の本なり〜!!」

私って、単純。なんて苦笑しながら立ち上がって次の本を探しに行った。どれにしようかな、なんて選んでいる時は、それなりに楽しかった。

こんな…日も、悪くないね!


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短い?まぁ、気にせず。
ネタ不足とかじゃねーですマジで。多分!
三人してミッケやってたら萌える。
12.05.07



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