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分岐性





「…ここどこだろう」
目を覚ましてからの第一声が口からこぼれた
どこだと言っても自分の部屋なのは幼いエメットの頭でさえ理解できた
しかしエメットには決定的な違和感があった。隣で一緒に寝ていたはずのインゴがいない
トイレにでも行っているのだろうかと思ったがその割には布団に抜け出た跡がない
というよりは最初からエメットしかいなかったかのようだった
エメットも流石に不安が煽られたのだろう小さく「インゴ?」と呟いた
しかし返事は帰ってこなかった
「お母さん?お父さん?インゴ?どこにいるの」
部屋から出た
心なしかドアにたどり着くのが遅かった気がした
ノブを捻って押すとぎぃと歪な音をたてゆっくりと開いた
廊下は不気味な程に静かだった
冷たい廊下に足をつけ壁伝いに暗い道を進む
「インゴ インゴ どこ?」
いくら呼んでも反響すらしない声
音が空間に吸収されているのか足音も自分の声もはっきりと聞こえない
「ここどこインゴ?おかあさん怖いよこわい」
頭がぐるぐると回る感覚がして混乱する

「エメット、何をしてるのですか?」
不意にインゴの声が後ろから聞こえた

エメットは_____

振り向いた

振り向かなかった

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