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「コーヒーとプリンとー、あとくんさきいか買おう、ついでにチューハイも買うか」
身分証明書を定員に見せて会計を済ませコンビニを出た

…あ お前誰だって話だったか
自分はミナ 暇だったからコンビニでおやつと飲み物を買いに来てる
まぁ今は帰るんだけどねー

「さてさて、いきましょうかねぇ」
大して家も遠くないから歩きできたけど最近は運動してなかったから少し疲れたなー
「にゃー」
「おや、にゃんこ 可愛いねぇ ちょっと待ってなー、くんさきいか買ったからわけてあげよう」
コンビニ袋をガサガサと漁って買ったばかりのくんさきいかを出す
猫はそれが何かわかったらしく嬉しそうに鳴いて擦り寄ってきた
「よしよしほら食べなー」
「にゃあ」
いかを何本か出して猫の前に置いてやると猫はすごい勢いでイカを食べ始めた
「よしよし、お前は可愛いなぁ」
猫を眺めながらぼーっとしていると前から小学生くらいの少年が歩いてきた
少年は猫を見ると「ねこだ!」と叫んでこちらへと走ってきた
その少年に猫は驚いたのか「にゃあっ」と声をあげて逃げた
「あーあ」
そんな声を漏らしながら猫が逃げた方向を見ると猫は立ち止まっていた
瞬間自分が見ている光景が嘘に思えた

道路の真ん中で動かない猫
その猫が目を向ける方向には車
体の血液が全て逆流しているような錯覚に囚われるミナ
気づかないうちにミナの体は動いていた


キィイイイ

ドンッ

世界が暗転した





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「…っいたた」
目を覚ましたらピンク

(…?
あれ、ここどこだ
自分は、えっと猫、猫助けたハズ
あれ、それで それで?)

『お困りのようだね人間くん』
「えっ」
いきなり後ろから声が聞こえ反射的に振り返る
そこにいたのは黒い着物を着た人だった
『不運だったね人間くん 君の人生は2012年6月27日14:43:23 に終わったよ、さぁこの紙に名前を記入してくれるかい』
そう言って黒い人は一枚の紙とペンを差し出してきた

紙にはミナの死因や生きていた頃にしたことやミナ自身にしかわからないことが大量に書いてあり、一番下に 貴方の人生は終了しました、理解していただけましたら下の記入欄に貴方の名前を記入してください という文字が書かれていた
『理解できないなら無理やり理解させるまでだよ、この部屋からは逃げられない。僕の部屋だからね』
「車に轢かれたんですね自分」
『うん、猫を助けた所為でね』
「いくら事実といえど 所為 という言葉を使われるとあまりいいものじゃないなー、
 無理やり理解させる方法は?」
『理解してなかった?自分の死体なりなんなり見せるだけだよ』
「理解はしてるよー、ただ方法が気になりまして、死体でなく自分が死んだときの状況を見たいかな」
『じゃあ見せてあげる』
そう言うと同時に黒い人は指パッチンした
(指パッチンって難しくない?アレ指痛くなるのよね
指パッチン講座とかネットであるんだよ、知ってる?
あとコレ書いてる最中で作者が自分(ミナ)の喋り方がクダリとかぶってないか不安になったらしいよ
クダリって誰だろうね、ミナわかんないアハハ)
『ほらそこの画面見なよ』
黒い人が指をさした方を見るといつからそこにあったのか、おそらくは指パッチンしたときに出たのだろう黒いテレビがあった
画面に映し出されていたのは無残に転がるミナの死体だった
「わ、グロいなー…」
『反応それだけなんだ、新鮮だね』
ケラケラ笑う黒い人
(なんだよ…笑い死ねや)
心で悪態をつくミナ
『ごめんごめん、ただ大体の人が目を逸らしたり意地でも自分が死んだことを信じようとしないからね、いやはや新鮮だったよ。』
そう言いながらもう一度指をならすとそこにあったハズのテレビはどこかへ消えた
『んー、暇だし何か話そうか!』
今さっき思いついたように提案を出す
「じゃあまず貴方は誰ですか」
『だよねぇ、俺は君らで言う天使なんじゃないかなぁ、ただ君らが思っているようなことはしないけどね』
ニコニコと笑いながら言葉を出す
「人間の管理とかをしてるんじゃないの?」
『ていうかなんで君俺が天使だって言ってもタメ口なの?いいけどさぁ、
 管理なんてしないよ、ただ一番偉い神様が人や生き物を生み出してソレが死んだ時の後片付けを俺ら中級天使がしてるってわけさ』
「翼生えてないくせに?」
皮肉を交えて言葉を吐くミナ
『天使が翼を持っているなんてただの人間の妄想にすぎないだろ?天使だって残虐なやつだっているさ』
「へぇ」
『それじゃ俺からも質問!君は生きかえりたい?』
「いや別に」
『即答!?え、っちょ…予想外なんだけどー…』
目を見開いたあと不満そうに顔を歪める天使(仮)
『もっとさぁーあるでしょ?生き返らせて!って縋り付く姿を予想したんだけど』
「だって別に興味ないし」
『冷めてるって言われない?』
「いや別に」
つまらないなーと天使(仮)が呟いた
「名前はないの?」
『えっとねーえ、じゃあユマって呼んでよ』
「よろしくウマ」
『いやユマね』

暫くくだらないことを話しているとユマがいきなり笑い出した
『あははは!本当君って面白い!』
「はぁ…」
『何万年も生きてきてこれほどおかしな人間には会ったことがないよ!いや実に面白いね!』
(うるさいなこいつ)
大笑いして騒ぐユマをいかにもうざそうな顔で見るミナ
しかしユマはそんなことも気づかないくらい興奮しているのかさらにしゃべりだす
『オマケだよ人間くん!君は特別に面白いところへ送ってあげよう!』
「は?」
『ゲームの世界なんてどうだい?そうだなポケットモンスターなんてどうだろう!きっととっても面白いよ!それがいい、そうしよう!』
他人の返事なども気にせずベラベラと喋って勝手に事を決めるユマ
ユマはまた指をならし紙を出した
『この記入欄に必要事項をかいて!まぁ最初からやり直したくないなら今のままでいいんじゃない?さあ早く早く!』
ミナに押し付けるように渡して早くかけと急かす
ミナは戸惑いつつもその紙に書くべきことを書き込みユマに渡した
『あ、ねぇポケットモンスターって知ってる?』
「知らない」
『あっそ、まぁいいや じゃあ最初はコジョフーでも持たせてあげるよ!じゃあまず向こうに着いたら現在地確認優先ね!どこに飛ぶかわかんないから、あとモンスターボールは近くに転がってるハズだよ、必要な道具はバッグに入ってるよ!お金は一応自分で稼いでね、初期金額はまぁ1500万くらいあればいい?現金で財布に入ってるよ!じゃあいってらっしゃい!』

ドンッ

ミナの肩が押され体が空に投げ出された


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短め
次回はミナが絶体絶命



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