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「何故遊園地にいる」
【あんたが迷ったんでしょ】
【ゆーえーんちー!】
いやいやいや本来の目的はご飯を食べに行くはずだったんだ
思い出せミナよ
まず家から出たんだ
そして珍しい風景に目をとられていたんだ
んでもって気づいたら遊園地

…原因がわかった気がした瞬間でした^p^
「明らかに私の不注意でしたねすみません」
【まあ優希も楽しそうだしいいんじゃない?】
じゃあなんか遊んで帰るかとか思ってみたけど如何せん自分の腹も悲鳴をあげているではないか
「飯食ったら遊ぶぞー!」
【わーい!】
遊園地にぐらい飯食う場所あるだろ
某夢の国だってあったんだし

そこらへんにある案内板に目を向ける
丁度近くに店があったのでそこにはいることにした
なんか、ぶるーすかいだとかいうありきたりな名前の店
店内は深海に見立ててあるのか青を基調とした暗い雰囲気
嫌いじゃないわ!
優希は少し怖いみたいだけどね
いわタイプも入ってるし水は嫌いなのかな

店員らしき人に指定された席に座る
ポケモン用のご飯あるってやったね!
当たり前なのかしら…?
「あー、食べ物はふつうなんだね」
【私これがいい】
あ、なんか麗花かわいい
いやいっつも可愛いんだけど今日はそれが39倍くらい倍増して可愛い
なんで数字が中途半端なんだって?なんとなくさ()
というかさ、今更なんだけどこの意味わからないハングル文字みたいな字が読めるってどういうことよ
かけはしないけど読めるってどういうことよ
ちょっと適当だよね



そんなこんなでご飯食べてどのアトラクションにのるか迷い中
飛ばしすぎなのは管理人の所為だ仕方ない

運が良かったのか対して人は並んでいなかった
「じゃあまずは定番のジェットコースター行こうか!」
【じぇっとこおすたあ】
私の言葉を真似て言う
【私ボールに戻ってていいかしら?】
「ん?いいよ」
まぁ大きさ的に麗花は一人分とっちゃうからな…

もしくは怖いとか?
麗花にも苦手なものはあるんだな!(自己解決

「優希はここな」
そう言って自分の膝にのせる
多分飛ばないはず
飛んだらごめんな

暫くしたらゆっくりと動きだジェットコースターが動き出す
自分は初めてじゃないけど久しぶりだってこともあるし優希は初めてだから緊張する
一番高いところまでのぼりがくんと車体が傾く
【うわあああああああああ!】
車体は一気に滑り出しスピードがでる
右へ左へ上や下
いろんな方向へ動く
しかしやっぱり慣れているもので叫ぶ優希をよそに楽しむ自分


案外終わってしまうのは早かった
楽しい時間程短く感じる、悲しいね
何物思いにふけってるんだか、
とりあえずジェットコースターを降りて近くのベンチに座る
優希は少し気分が悪そうに俯いていた
【こ、こわい】
どうやら優希には少しキツかったらしい
ごめんよとつぶやいて頭を撫でてやると抱きついてきた
可愛いなぁ、こっちの世界にもいたらよかったのに
そうしたら最初からきっと面白いことだらけで、嫌なことすら吹き飛ばせて
「あー…」
顔を上に向けると青くて綺麗な空が目に付いた
空には鳥らしきものが数匹飛んでいる
見事なくらいに晴れ渡る空を見てると何を考えていたんだろうなんてバカらしくなる
「そろそろ次行こうか」
優希も頷いて次にのるアトラクションへと向かった


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暫くいろんなアトラクションに乗りまわったらもう体力がなくなったらしい
私は元気だけど
「いやー、楽しいな」
遊園地なんて久しぶりだな
生憎前に生きていた頃では恋人なんていなかったし友人は彼氏や彼女とキャッキャしていて家族といったら父母両方仕事で多忙で中々行けなかった
最後に行ったのは中学卒業してからみんなで行ったきりか
まさかこんな形でまた遊園地これるとはね、吃驚ですよもう

「帰るかー」
もう結構な時間遊んだし明日からはバイトがある
できれば早めに帰って寝たい
あのふかふかなベッドに体をうずめたい
【ねーねーミナ、あれなあに?】
優希が指(腕?)を向けた先を見る
何やら人が溜まっているようだ
しかも何か叫んでいてポケモンを出している
溜まっている人はみんな同じ服を来ている
なんつーか、変な服、てるてる坊主みたいな
出しているポケモンはみんな敵意むき出し
出入り口に仁王立ちするような形で立ちはだかっている
これじゃ帰れないじゃないか

この遊園地にはどういうわけか出入り口は一つしかない
混んだときにどうすんだよっていうね
「ポケモンを開放しろ!」
「うぇあっ!」
吃驚して後ろを振り向くとてるてる坊主みたいな服を来たてる君(仮)がいた
どうやら今のは私に言ったようでこちらをガン見しながら立っている
いきなり大声を出すもんじゃないよてる君死にそうになるじゃないか心臓が
あぁ、反応?してやんないよだって変な宗教団体みたいに気持ち悪いし
横を素通りして出入り口に向かおうとすると肩を掴まれた
「待てよせめて何か言えよ!」
耳元で叫ばないでくれよ鼓膜破れるだろう
「何か」
そう呟くとテル君は
「何かって言えって意味じゃねぇよ!!」
ってまた叫んだ
君は叫ぶしか能がないのか全く耳が痛い
「何を言えというのだね」
そうとう頭にきたらしい
「ポケモンを開放しやがれ!」
荒々しく言葉を吐く
「開放っていうのを詳しく」
「ポケモンをモンスターボールという名の檻から放つのだ!」
つまりはアレか
逃せってことか
「快くお断りします」
とりあえず帰らせてくれ
明日からバイトなんだよ
「ふん、なら無理やりにでも開放させるまでだ!いけミルホッグ!」
てる君はモンスターボールを放り投げてポケモンを出す
直立不動してるネズミっぽいポケモン
てかよくよく周りを見たらみんなポケモン出して攻撃態勢
まわりの客はみんな怯えてて普通に会話してるのは私だけだった
あ、ちょっとていうかかなり恥ずかしい
怖いてか恥ずかしい
「あ、あの話しかけないでもらえますか恥ずかしいんで」
「は?!いいから開放しろ!」
やめてくれ本当主人公みたいにかっこよく戦えないんだ
白馬の王子様なんて期待してないしどうすればいいのかね
あぁお腹痛い
今ここで逃げても構わないけども顔覚えられるのも嫌なんだよねぇ
「おい!聞いてるのか?!」
聞いてないですはい申し訳ありません

相当頭にきたらしく胸ぐらを掴まれる
しかし私は女子の中でも結構身長はデカイほう
相手よりも身長が高いせいか持ち上げられてすらないけども
何これ怖くない
というか服伸びるからやめろ
そういえば服来たときのまんまだ明日買いに行こう
まぁそんな明日もこの状況を打開しないと来ないわけで
当たって砕けよってことですかね。砕けちゃだめだけども!
「麗花サーンお願いします」
赤と白のシンプルなデザインのボールを放り投げる
わけにもいかないのでとりあえず地面に開閉スイッチが当たる様に落とす
【はいはい】
とてもめんどくさそうな顔をしてテル君から自分を回収する
テル君ぽかーんってしてるよワロス
「ありがと」
【どうするのこいつら】
とりあえず倒そうか
「抵抗する気か!」
そりゃするでしょうよ
「ミルホッグ!こいつを懲らしめてやれ!」
麗花も戦闘態勢入ったようだし
少し距離をとって相手と向き合う
「ミルホッグさいみんじゅつ!」
ミルホッグは相手の命令どおり技をだす
私は酷く曖昧な指示をだす
「あなをほるで回避…できる?」
そう問うと楽しそうに笑い【簡単よ】と呟く
麗花は地面に潜りさいみんじゅつを回避する
「っ!隠れるなんて卑怯だぞ!」
「いやぁ…バトルだし」
わかんないけど
戦略さ
さて、麗花はそろそろついたかしら
「んじゃあ麗花 やっちゃえ」
ミルホッグの後ろの地面が盛り上がり何かが飛び出す
何かっていうか麗花ですけど
麗花がミルホッグにかかと落としをくらわせてミルホッグは倒れた
「戻れミルホッグ!」
悔しそうにこっちを睨みつけるテル君
「この糞アマ…!」
手を振り上げて私に向ける
流石にそれはないよ。衝撃が怖くて目を瞑る、でも聞こえたのはパシッという音、
薄く目を開けると見覚えのある白が男の腕を掴んでいた
どうやら白馬の王子様ではないが白い車掌さんが来たようだ
「女の子に手をあげちゃダメだよ?」

一生分の運使い切ったんじゃないかな



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