トワイライト | ナノ



日の沈みきらないコスモス畑に、煌びやかにうねる金髪が浮かび上がる。太陽が顔を隠してもDIOの輝きは褪せず、むしろ鋭い美しさを増している。

「DIO、大丈夫なの?」

太陽がまだでているけどと続けると、問題ないというように微笑まれた。
風が吹いてコスモスの花が散った。濃い赤紫の花弁が頬を掠める。DIOの髪に幾枚か花びらが纏わりついているため払おうとしたが、手を掴まれ、それを頬に当てられた。いつもははっとするほど冷たい頬がほんの少しの熱をはらんでいた。日光がほんの少し、地平線に残っているせいだろうか。心配だ。DIOを回り込んで、太陽から庇うように影をつくった。
先ほどよりも風が吹く。舞い散る花びらに宇宙を見る。
DIOはカオスだろうか。それともコスモスだろうか、或いは入り交じっているのだろうか。
コスモスを一輪手折って花びらを千切る。頭上に放り上げて風に泳ぐそれを見やる。DIOの頭から落ちたものと一緒になって、遠くへと飛んでいく。
地平線から光が消えた。月が姿を表す。星が瞬く。夜がやって来た。これからは彼の世界だ。

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テーマ「人外ファンタジー」
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