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「ギアッチョのスタンドっていいよね。一回ジェントリーウィープスやってみたい」

かっこいいよねーというと、プロシュートは少し興味を示したように椅子に深く腰掛けた。

「ホルマジオとかイルーゾォとかペッシとかもさ、便利だよね」

プロシュートはローテーブルの上の新聞に目をやりながら、「俺の能力は老化だ」と、拗ねたようにも自慢げにも聞こえるように言った。
老化は他に転用することのできない、いってしまえば人を殺すだけの能力。それも、「成長」ではなく「老化」。

「リーダーもだよね、メローネは……もだね。産み方がアウト」
「はん、お前だってえげつねーやりかたじゃねぇかよ」
「能力は普通だもん!」

左手から右手へ、もしくは右手から左手へものを移し替える能力。ホルマジオ以上につまらない能力だけど、プロシュートより汎用性はあるだろう。ただ、殺人には向いていないため、結構生々しく血を浴びたりする。

このチームの人達はみんなどこかおかしい。リゾットは感情をおもてに出せないし、その癖そのことに気がついてない、プロシュートは真っ直ぐすぎて上手に生きられない。ホルマジオもメローネもイルーゾォもギアッチョもペッシも、みんなどこかがおかしい。

「でもさ、スタンドがつかえるやつでもそうじゃなくても、みんなはここにいる。まともに生きられないんだよ」

あたしも、そう。体の芯まで薄汚い垢にまみれて、まとわりつく泥は腰まで来ている。だれも日の下で生きられない。今更戻るなんてできやしない。ただ、この泥に身を沈めるだけだ。
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