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目が覚めて、どうにも寝付けないのでホットミルクでも飲もうと考えた。まだ肌寒いためブランケットを抱えながら階段を降りると、リゾットとホルマジオとプロシュートがいた。
この三人は、深夜によく話し合っている。デスクワークも大抵三人でこなすし、仕事の振り当てやらもスケジュール調整も彼らだ。どうやらこの三人が一番長くこのチームにいるらしい。年も近いと聞いた。
気まずいところへ来たかと思ったけれど、どうやら重要な話は終わっているらしい。煙草をふかしているだけだ。

「アルベルタ、エスプレッソ」

ホルマジオの声に応えてエスプレッソメーカーをセットした。
ミルクパンを火にかけ、キッチンの座高の高い椅子に腰掛ける。
リゾットは滅多に煙草を吸わない。多分ホルマジオかプロシュートの煙草を貰っているのだろう。プロシュートのものは癖が強いから、ホルマジオのものかもしれない。一度煙草を吸ってみたことがあるが、思い切り咳き込んだ覚えがある。
ミルクパンに蜂蜜を加え、たっぷりのカフェを大きなマグに三等分になるよう入れる。眠れるよう、薄めで、砂糖をたっぷりいれて。
リビングのローテーブルまで持って行って、グラーツィエという言葉を聞きながらキッチンに引っ込んだ。
一人一人とだったら普通に話せるのだけど、三人そろっているとなんだか上手く話せない。他の人ならなんでもないんだけどな。
ミルクを飲んで、少し重くなってきた瞼をそのままにして、ブランケットを引きずりながらおやすみと声をかけた。低さの違うおやすみが少しおもしろくて、ベッドに入ってから少しにやにやした。
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