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二人そろってキッチンでもぐもぐやってると、イルーゾォと腰をさするホルマジオやってきた。イルーゾォの足と床に挟まれていたため痛いのだろう。

「朝からよく食うなぁ、お前ら」

イルーゾォは朝食をとらない。それでプロシュートに言われているけど、いつもエスプレッソメーカーをセットするだけだ。

「おめぇーだからそんな細いんだろ?」

ホルマジオは出しっぱなしにされた食材であたし達と同じものをつくる。ただし、ボッコンチーニは多めで。

「ギアッチョとペッシとメローネは起きた?」
「ギアッチョ、あいつ寝ゲロした……」
「ペッシはトイレで吐いてたぜ」

二日酔いなんてなったことがない。あんなにべろんべろんだったイルーゾォだって今はけろりとしている。やっぱり二人はまだお子様だなぁなんてにやにやしていると、チャイムがなった。
面倒臭いから誰も行かないと、玄関のほうからメローネの声がする。いないと思ったら、出かけていたのか。
しぶしぶ迎えにいくと、鍵は開いている。なんで自分で開けないんだろうとおもいつつドアを押すと、大きい紙袋をいくつかかかえたメローネがいた。

「ちょっ……どうしたの、それ」
「朝市に行ってきたんだ。いってなかったっけ」

キャベツ、ポルチーニ、ボンゴレ、観光客向けのフルッタマルトラーナ、なんだかわからないオレンジ色のチーズ、にんじん、たくさんのトマト、アランチャ。

「ホルマジオ、ボンゴレロッソ、つくってよ。トマト安かったんだ」

紙袋からマジックのようにカラフルな野菜を次々とメローネ。ゲロにまみれて昼過ぎに起きるあたし達と違って、メローネが物凄く健康的に見える。

声には出さないが、誰もが変態のくせに、と思ったに違いない。
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