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※絡新婦のネタバレ
※男主、名前は社木恭介



社木を引き連れて散策していた榎木津は、木に紛れ混んだ華やかな色を見つけた。目潰し魔の犯人、杉浦である。榎木津は社木にここで待つよう言おうとして振り向いたが、それより早く杉浦が海裳に襲いかかるのを見つけた社木は木立を飛び出した。
「恭介、馬鹿者!」
もつれ合う海裳と杉浦、それに杉浦へと飛び掛かる社木、三人はバランスを崩し、そのまま坂を転がり落ちる。榎木津は茂みから飛び出し三人を追った。

頭を強か打ち付けた社木は痛みに呻き声を上げた。杉浦は自身の下敷きになっていた社木の首を両腕で締め上げる。社木はぎりぎりと喉を圧迫される苦しさに涙を浮かべた。咳をしたいのに指に遮られて上手くできない。唾液を嚥下出来ず体が跳ねた。血の巡らない顔が痛い。
海裳は社木など目に入らないかのように這いずりながら杉浦から逃れる。
追い付いた榎木津は社木の様子を認めて目を見開くと、杉浦の側頭部を蹴り飛ばす。杉浦は頭から横へ倒れた。

やっと呼吸が解放されて酷く咳き込む社木を榎木津が抱え起こす。社木は力が入らないのか、上手く立てずに寄りかかる。
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