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※男主、名前はルカ
※脱出後のはなし

ここが俺達の家だと言うレオンに、ルカは目眩さえ感じた。

「ここが、俺と、レオンの?」

一言ずつはっきりと発音するルカは、未だに事態を受け入れられずにいる。俺とレオンが同居だって?なんてこった!

「悪いな、ルカ。上司の命令だ」

口先で謝るレオンはどう見たって笑顔だ。ルカは内心でホモ野郎と毒づいた。
ため息をついてルカは肩に背負っていた取り上げられていないメッセンジャーバッグを床に放る。中に詰め込まれた銃器ががちゃりと危険な音を立てた。

「レオン、シャワー浴びたい。貸して」

疲れた体を休め、考えをまとめるにはシャワーが一番だ。レオンは横のドアを指して好きに使ってくれと言った。


バスタブの脇の台に適当に畳んだ服を置く。カーテンを閉めてシャワーのコックを捻って、ルカは深呼吸した。
ヨーロッパの片田舎の惨劇からまだ一日も経っていない。目をつむれば容易に血や叫びを思い出すことができる。ルカの丁寧に手当されている傷に温かい湯がじんわりと滲みた。
島から脱出してからの展開は目まぐるしい。手配されたヘリに乗り込み、そこからアシュリーと引き離されてジェット機で合衆国へと向かった。身元が確認出来ないなか、一部の武器の押収や監視、身体検査は当然の措置だったとルカは考えている。
悪夢が去ったとはいえ、あの村があったことは事実だ。この一件に関わったものとして、ルカは収束まで行動を拘束される。不服だが、こう言うものだとルカは一応納得していた。
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